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2022.05.20
バイオテクノロジー科
ボンベの色は水素が赤で窒素がグレー ~ガスクロマトグラフィー(GC)で脂肪酸組成を解析~ (バイオテクノロジー科)〔085〕
今回は、4種類の植物油(大豆油、サラダ油、ベニバナ油、オリーブ油)に含まれる脂肪酸の組成をガスクロマトグラフィー(GC)で分析しました。
まず脂肪酸について説明しましょう。脂肪酸とは、炭素が鎖状につながった分子で、その鎖の一端に酸の性質をもつカルボキシ基(-COOH)を持つ構造体です。脂肪酸は、炭素の鎖の長さや炭素間の二重結合の数と位置によりたくさんの種類があります。二重結合がない脂肪酸は飽和脂肪酸、二重結合のある脂肪酸は不飽和脂肪酸といいます。
グリセリンは脂肪酸のーCOOHと結合できる3つの手をもっています。グリセリンに3つ脂肪酸がつながったものを「トリグリセリド」と呼びます。天然の植物油のほとんどは、このトリグリセリドです。植物油は、リノール酸、オレイン酸、α-リノレン酸など常温で液体の不飽和脂肪酸が多く含まれているのが特徴です。
話は変わりますが、油の名前について疑問があります。「大豆油」「オリーブ油」「ごま油」など原料由来の油はわかりますが、「サラダ油」のサラダの語源は何でしょうか。日清オイリオのHPによると、サラダ油はサラダ料理などで生でも使用できる、精製度が高い良質な食用油ということで名付けられたそうです。てんぷら油と同じように用途につけられた名前なのですね。日清サラダ油の成分は、食用大豆油と食用なたね油でした。
それぞれの油にどんな脂肪酸がどのような割合で含まれているのかを調べるために、食用油に含まれるグリセリド脂肪酸をメチルエステルに変換してからGCに注入しました。
注入された試料はキャリアーガスによってカラムへ送り込まれます。キャリア―ガスとしては窒素、ヘリウム、アルゴン、水素などがありますが、特に窒素、ヘリウムがよく利用されます。
誤用防止のために高圧ガスボンベの外観色はガス種ごとに決まっています。水素は赤、窒素はグレー、動物細胞培養で使った液化炭酸ガスのボンベは緑です。赤は危険を想像させる色なので、爆発しやすい水素の色としては覚えやすいですね。バイオテクノロジー科のGC分析では、安全な窒素をキャリアーガスとして使っています。
カラムを通った脂肪酸の解析はクロマトグラムで行います。クロマトグラムの解析法の詳細はこちらのブログをご覧ください。
★バックナンバー★
2020年度 ガスクロマトグラフィーで脂肪酸を検出しよう
2020年度 リノール酸たっぷり大豆油
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文責: 宮ノ下いずる
2022.05.13
バイオテクノロジー科
2022 東京テクニカルカレッジ バイオテクノロジー科の教職員紹介〔084〕
松井 奈美子先生 (バイオ科長)
まさに教師の鏡のような先生。学生にバイオ技術を身につけてもらうためなら、努力を惜しみません。例えば、実験を失敗した学生には何度でもやり直させます。決して手を抜かない先生の姿勢は学生にもしっかり伝わっています。松井先生をバイオのお母さんと呼ぶ学生がいるくらいです。ほめるところはしっかりと褒め、過ちを犯したら厳しく罰する。飴と鞭を使い分けるスペシャリストです。
2011年の初版以来、改定・増刷されている松井先生の書籍「一発合格!毒物劇物取扱者試験テキスト&問題集 ナツメ社」は毒物劇物取扱者試験対策のテキストの中でもベストセラーの1冊。松井先生は、毒物劇物取扱責任者資格取得のための講座も担当しており、これまで多くの合格者を輩出しています。
〈プロフィール〉
明星大学 教育学部 卒業
中学校・高等学校教諭1種免許(理科)
■主な担当教科 : バイオ化学実験(生化学実験)、微生物学実験、酵素学実験
■趣味/マイブーム
シュノーケル、スノーボード、DIY、トレッキング
■好きなもの/嫌いなもの
好きなもの:ノラ猫、柴犬、洋菓子
嫌いなもの:不誠実な人、生もの、鼻にツンとくる食べ物
■やってみたい職業: キャンプ経営
■私ってバイオ系人間だなと思う瞬間
・マダニに刺されたとき、マダニを採取して自宅のマイクロスコープで観察してしまったこと。
・自宅の水槽のろ過槽に嫌気性バクテリアが存在できるように自作したこと。
■教育で心がけていること
学生を叱ることは、とても体力を使うのですが、どんなに疲れていても、悪いことをした学生には愛情をもって叱ること。
■出身地: 神奈川県川崎市
大江 宏明 先生
とても包容力のあるやさしい先生です。さらさらっとイラストを描いて実験の流れをわかりやすく教えてくれます。大江先生は、バイオ分野はもちろんのこと、植物、料理、機械、電気、建築に至るまで、幅広い知識をお持ちです。何でそんなに物知りなのでしょう?先生のエネルギーの源は、愛情たっぷりの愛妻弁当。実は先生、歌声も素晴らしいです。以前、カラオケで聴いた先生の『宇宙戦艦ヤマト』。あの魅惑のバリトンボイスが忘れられません。
〈プロフィール〉
農学修士(帯広畜産大学農産化学科卒、畜産学研究科修了)
■主な担当教科
食品化学、分析化学、分離精製技術、発酵工学・化学工学系
■趣味/マイブーム :
趣味:DIY(子供の頃は大工さんか漫画家、あるいは科学者になりたかった)、読書(主に1950~2000年くらいまでのSFと科学読み物)、時々絵を描く(水彩、鉛筆)、カメラ、気が向いたときに料理。
鉄腕アトム~初代ガンダムまでのアニメのリアル世代。スターウォーズも好きだが、どちらかというとスタートレック派。まあオタクのはしりかも。
マイブーム: ヱヴァンゲリヲンは当時全く興味がなかったが、どういうわけか今頃気になって見ている。
■好きなもの/嫌いなもの
好きなもの:美味しい食べ物、メロディーのきれいな音楽、オルゴール、万華鏡、印象派の風景画、精密画、機能美のある部品
嫌いなもの:メロディーの無い音楽、どぎつい配色、切れない刃物
■やってみたい職業:大工(図面を描くのが好きなので)
■私ってバイオ系人間だなと思う瞬間:
消費期限や賞味期限がきれていても、どんなもんだか確認してみようとする。
■教育で心がけていること:
物事のポイントや、やらなければならない事が、各自の頭の中にイメージできるように説明するにはどうすれば良いかを常に考える。
■出身地 北海道札幌市
ということでスキーはそこそこ。スケートは少し慣れた初心者。スノボは未経験。
宮ノ下いずる
天然でうっかり者です。「先生が頼りないから、俺たちがしっかりしないと!」と学生に思ってもらうのが作戦。和気あいあいとしたバイオ科の雰囲気をこよなく愛する講師です。バイオ分野とは関係がありませんが、色彩講師の資格をもっています。
〈プロフィール〉
農学修士(東北大学大学院)
中学校・高等学校教諭1種免許(理科)
■主な担当教科
ライフテクノロジー概論、植物生理と病理、植物細胞工学、分子細胞生物学、細胞工学実習(植物、動物)
■趣味/マイブーム
カフェめぐり。旅行。ミュージカル鑑賞。今のマイブームはバイオ科ブログやTwitterを書くこと。
■好きなもの/嫌いなもの
好きなもの: 猫、ベレー帽、スノードーム、パスタ、お酒全般
嫌いなもの: カエル、 Excel操作(泣)
■私ってバイオ系人間だなと思う瞬間
・ 道端の雑草を見ると、名前を調べたくなる。
・ 臭いと言われているものでも、においを嗅ぎたくなる。
・ 高層ビルの明かりが電気泳動パターンに見える。
■やってみたい職業:海外旅行の添乗員
■教育で心がけていること
面白い!ワクワクする!と学生に思ってもらえるような授業を展開したいと考えています。学生が主体性をもって学ぶ『きっかけ』を作ってあげられたら嬉しいです。
■出身地:山形県天童市(北国育ちですが寒がり。いまだに訛りが抜けません。)
野口 建斗 先生(助手)
野口先生はTTCバイオ科の卒業生です。実験準備から器具修理、学生指導に至るまで様々な仕事をしてくれる頼れる助手です。学生と歳が近いので、学生にとっては、気軽に悩みを相談できる心強い先輩でもあります。
高校時代に園芸を学んだ野口先生は、花の栽培が得意。在学時代のRJP活動では、美化活動リーダーとして学校の花壇を整備し、1年を通して様々な花で学校を彩ってくれました。この活動は現在進行形。野口先生の志を引き継ぐ在校生が『花でみんなも笑顔に』をスローガンに活動を続けています。
〈プロフィール〉
TTCバイオテクノロジー科卒業
■趣味/マイブーム: サイクリング、キャンプ、登山
■好きなもの/嫌いなもの
好きなもの: 動物、植物、洋菓子(特にプリン、ティラミス、抹茶スイーツ)マンガ
嫌いなもの: 虫
■やってみたい職業:スパイ、海賊 (マンガの影響?笑)
■私ってバイオ系人間だなと思う瞬間
・母の日のカーネーションを見ると茎頂培養したくなる。
■教育で心がけていること
学校生活に不安をかかえていそうな学生さんに寄り添える先生になれるように心がけています。掃除当番と出欠席には厳しめです。
■出身地: 東京
2022年度 バイオテクノロジー科 非常勤講師紹介
大藤先生、松延先生、吉本先生、田村先生の紹介ブログはこちら
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『光る大腸菌⁉DNA実験に挑戦!』
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文責: 宮ノ下いずる
2022.04.22
バイオテクノロジー科
フレッシュマン研修 2022 (バイオテクノロジー科)〔083〕
今年のフレッシュマン研修も、昨年に引き続きCOVID-19対策として三密(密閉、密集、密接)を避けるため、代々木にある国立オリンピック記念青少年総合センターの広々とした会議室で行いました。
バイオテクノロジー科はグループワークとして『おたまじゃくしからカエルへ』をテーマに、これから2年間の学びを通してどんな自分に成長したいのかを班で話し合い、そのイメージを模造紙に絵にしてもらいました。はじめは、お互い緊張していましたが、徐々にみんな打ち解け明るい表情に。マスク越しですが、対面でのコミュニケーションは、お互いを知るために必要なことだと改めて感じました。
昼食は、みんな一緒にカフェテリアでとりました。感染対策を徹底し、一席ずつ空けて座り、黙食となりましたが、仲間と一緒に食べる食事はよりおいしく感じます。
2日目の午後はいよいよ発表会。発表終了後に、模造紙のイラストとプレゼンテーションの内容について、それぞれ最も良かったと思う班を、各自で1つずつ選んでもらい投票しました。総合的に得票数が最も多い班をグランプリとして表彰しました。
まず、『ファーストペンギン』をテーマにプレゼンテーションをしてくれた3班を紹介します。
「みなさんは、ファーストペンギンを知っていますか?集団で行動するペンギンの群れの中から、最初に海へ飛び込むペンギンです。その物怖じせず挑戦する勇敢なファーストペンギンに、私たちはなりたいです。」
「海の中にはさまざまな魚がいます。魚は東京テクニカルカレッジのバイオテクノロジー科で学ぶことができる、知識や技術、人間性や協調性を表しています。」
「私たちはファーストペンギンのように、自分たちが手に入れたい魚を2年間の学びの中で積極的にとりにいきたいです。」
プレゼンテーションでは、新入生の心に秘めた将来の夢や熱い思いを聞くことができました。
フレッシュマン研修で『今の自分』に向き合い、どうしたら『将来の理想の自分』に近づけるかを真剣に考え、それを発表した新入生。この初心をぜひ忘れないでください。これから2年間、講義も実習もたくさんあり忙しくなりますが、夢の実現に向け一緒に学んでいきましょう。
講師一同、全力でみなさんをサポートしていきます!
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『いろんな色素を調べてみよう』
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〈お知らせ〉
バイオテクノロジー科のブログはゴールデンウィークはお休みします。次回は、5月12日(金)に投稿致します。どうぞお楽しみに♪
文責: 宮ノ下いずる