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2023.05.19 バイオテクノロジー科

1ヵ月でここまでできるようになる!濃度計算から試薬調製まで (バイオテクノロジー科 導入実験 1年)〔122〕

1年生が実験授業を受けて1ヵ月がたちました。天秤や安全ピペッターの使い方もわからず、濃度の計算も苦手だった学生も、この時期になると、指定された濃度の試薬を作れるようになります。

例えば、0.8mol/L NaClを正確に100mL作製することができます。さらに、%からモル濃度に変換して、5.0%のショ糖液から、100mmol/L ショ糖液を50mL作製することもできるようになります。

 

たった1ヵ月で本当にこのレベルに到達できるの?

はい、もちろん!東京テクニカルカレッジ(TTC)のバイオテクノロジー科では高校まで実験未経験でも、ほとんどの学生がこの目標をクリアします。今回のブログは、新入生がわずか1ヵ月で試薬調製ができるようになる指導を行っている導入実習の内容をご紹介します。

 

1ヵ月前の4月19日に実習が始まりました。はじめて袖を通すMy白衣に胸が躍ります。

〈実習初日。初めて着る白衣に興奮!互いの白衣姿を面白がって写真を撮る様子〉

 

はじめに、安全ピペッターの使い方から学びました。操作方法は松井先生が丁寧に指導してくれます。メスピペットに安全ピペッターをつけて操作の練習開始。まずは、安全ピペッターのA,S,Eのバルブの使い方を覚えます。「まずはAを押しながら、ゴム球部分をへこまして空気を出してください。」と松井先生。

安全ピペッターを片手で使いこなすには練習あるのみ!おろしたての安全ピペッターは固くて、力を入れないとうまく操作できないので指が痛くなるんですよね。たくさん使えば柔らかくなって手に馴染んでいきます。

〈松井先生の指導は丁寧でわかりやすい!〉

 

さらに、天秤、ホールピペット、メスフラスコ、メスシリンダーの正しい使い方を学んでいきます。また、実験操作だけでなく、モル濃度やパーセントの計算演習を何度も繰り返します。計算の得意な学生がクラスメイトに解き方のコツを教えることもあり、みんなで学び合っていきます。

〈実験中は真剣な表情を見せる学生〉

 

基本的な濃度計算や実験操作を身につけたら、実際に食塩とショ糖を使って様々な濃度の溶液(試薬)を作製します。実習では、一人10種類以上試薬を作ります。作った試薬は糖度計や塩度計を使って濃度をチェック。

〈ショ糖や食塩を使って様々な濃度の溶液を作製し、糖度計と塩度計で濃度を測定〉

 

塩度計を覗きながら首をかしげている学生がいました。

「先生~ちょっと見てほしいんですけど。」

「どうしたの?」

「2.4%の塩化ナトリウム溶液を作ったのに塩度計で見ると24%になるんですよ。試薬調製間違っているのかな…」

「どれどれ?」

 

塩度屈折計を覗き数値を見ると、たしかに24のところを指しています。でも、よく見ると、単位が%ではなく%に0を1つ足した‰(パーミル)です。‰とは、千分率のことで1/1000を表します。%が百分率(1/100)のため、2.4%は24‰になるのです。

「これ、パーミルだから、24のところに出てOKだよ」

「あっ、この塩度計は単位が‰なんだ。計算ミスったと思って焦った~(^_^;)」

学生も安堵した様子。

 

濃度計算ができるようになるまで何度も演習問題を解き、器具を正しく使って試薬調製を繰り返すことで力がついてきます。さらに、確実に技術を身につけるためにとっておきの秘策があるのです。それは試薬調製の『実技試験』です。これを突破するために、学生が必死になって練習するので、ほぼ全員が1期の間に試薬調製ができるようになります。実技試験の詳細はこちらのブログを参照ください。

 

『試練を乗り越えた先に身につく技術』

試練を乗り越えた先に身につく技術〈バイオ科 導入実験 1年〉〔037〕

 

入学の時に計算が苦手でも、ちょっと不器用でも心配いりません。とにかく学校を休まないこと、手を抜かず真摯に取り組むこと、そして実験が好きな気持ちがあれば、1ヵ月で指定された濃度の試薬を作れるようになります。

 

2期から、生物とバイオ化学分析、2つの実習が始まります。生物系の実習では顕微鏡やマウスを使った実験を、化学系の実習では分光光度計やビュレットを使った滴定を行います。1期で学んだ基礎を大切に、楽しみながら学びを深めていってほしいです。

 

〈カメラを向けると笑顔で応える学生。実験楽しんでいる様子(*^^*)〉

 

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2023 東京テクニカルカレッジ バイオテクノロジー科の教職員紹介(バイオテクノロジー科)〔119〕

文責: 宮ノ下いずる

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