『夏休み特別企画 身近な微生物を観察しよう』 オープンキャンパスで実験体験!№4 (東京テクニカルカレッジ バイオテクノロジー科)〔128〕
進学を希望しているけれど、どんな分野をどんな学校で学ぼうか迷っている方もいるでしょう。そんなときに役に立つのがオープンキャンパスです。「ネットの評判が良い」「学校のパンフレットの内容が面白そう」と思っても、実際に自分に合っているかは分かりません。一度、オープンキャンパスに参加して、学校の雰囲気を実際に体験してみてはいかがでしょうか。
今回は、夏のイベントで学生主体でおこなったバイオ科のオープンキャンパスをご紹介します。
メニューその4 『身近な微生物を観察しよう』
RJPの理科実験班が実習や座学で学んだ微生物学の魅力を、ぜひ高校生に伝えたいと立ち上がりました。楽しいをコンセプトに、微生物の面白さを高校生に知ってもらうにはどうしたらいいか…話し合いや予備実験を重ね、試行錯誤しながら準備をすすめる学生。そして、発酵食品に使われる微生物を見学者に紹介することにしました。
微生物と一口に言っても、カビや酵母、細菌とさまざま。今回は見学者に発酵に関わるカビ、酵母、細菌の顕微鏡観察や、培養したときのにおいを嗅いでもらうことにしました。
「カビと言えば風呂場の壁に繁殖するカビを想像する方もいると思いますが、コウジカビの仲間は、昔から日本酒、焼酎、醤油、味噌づくりに使われています。」とIさん。
今回は、事前に作製したスライドカルチャーで培養したコウジカビの無性胞子を観察してもらいました。
クロコウジカビ(クロカビ)や醤油コウジカビを三角フラスコの液体培地に入れ、3日間、振とう培養したものが登場。培地にはタピオカのような球状のコロニーがたくさんできていました。フラスコの口にさしたシリコ栓をはずし、においを嗅いでもらうと...
「醤油コウジカビは漬物のようなにおいがする」と見学生。
「酵母はアルコール発酵をするので、ビール、ワインなど酒造りに欠かせませんし、パン作りでも使われます。」と酵母担当のKさん。顕微鏡を用いた酵母の観察は簡単です。生理食塩水(0.85%)に市販のドライイーストの粉末を溶かし、スライドガラスにのせて観察します。
卵形の単細胞が酵母です。培養すると出芽で増殖していく様子がわかるのですが、今回は観察できませんでした。コウジカビと同じように、ワイン酵母とパン酵母も液体培地で振とう培養。さっそく、においを嗅いでもらうと…
「ワイン酵母はパン酵母に比べてフルーティーな香りがする」と見学生。
最後は納豆菌です。「納豆菌は普通の納豆よりひきわり納豆の方が観察しやすいですよ」と微生物実習担当の松井先生から伺ったので、納豆巻きの納豆を生理食塩水に懸濁して観察することに。
「納豆菌は細菌なので、酵母よりずっと小さいです。顕微鏡の倍率400倍でもはっきり見えるかわからない程度です」とYさん。
より見やすくするため、グラム染色して観察すると、紫色に染まったグラム陽性桿菌を発見。これがバチルス納豆菌です。
今回のオープンキャンパスでは、身近な市販品であるドライイーストや納豆から微生物を観察しました。また、微生物には特有のにおいがあることを見学者に体験してもらいました。ときどき驚きや笑い声が聞こえる楽しいオープンキャンオパスになりました。
今回はバイオ科の学生にも学びがありました。どのように説明すれば高校生にもわかりやすいか、どんな実験をしたら興味をもってもらえるか、ストーリーを立てながら取り組んでくれた理科実験班。見学者に教えることでより理解が深まったと思います。お疲れさまでした。
東京テクニカルカレッジ(TTC)のバイオ科のオープンキャンパスは、動物細胞、微生物、食品、遺伝子、植物、化学分析とさまざまな分野の実験を体験できます。ぜひ、一度足を運んでください。教員および学生スタッフ一同、心よりお待ちしております。
◆バイオ科で学ぶ微生物を深堀◆
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文責:宮ノ下いずる