卒業生インタビュー きっかけはTTCバイオ Part3『文系大学を出てから専門学校でバイオ技術を学ぶ!医薬品開発を仕事に』(東京テクニカルカレッジ バイオテクノロジー科)〔067〕
実験準備室から松井先生の笑い声が聞こえる。窓越しから見えたロングヘアの後ろ姿。今日の来客は誰だろう。「ご無沙汰しています。」振り向いた姿に驚いた。ショートカットの印象が強かった今野さんだ。落ち着いた低めの声、大人っぽく知的な雰囲気は在学時代と変わらない。この日は、1年7カ月ぶりの再会だった。ついこの前、卒業を一緒に祝ったと思いこんでいたが、彼女の長く伸びた髪を見て、あれから2年近く経っていたことに驚く。
文系の大学を卒業してから、TTCバイオ科に入学した今野さん。頭の回転が速く、段取りよく実験をこなす学生だった。卒業後は、製薬会社のテクニシャン(技術者)として、医薬品の研究開発、分析業務を行っている。今回は、今野さんにバイオ科時代の思い出を語ってもらった。

今野さん 製薬会社 テクニシャン (2020年 卒業)
―――東京テクニカルカレッジのバイオテクノロジー科に入学を希望した理由は?
大学時代は心理学を専攻していました。卒業論文でラットを使用した動物実験を行ったことがきっかけで、ヒトの行動や感情、記憶、疾患には分子レベルの、目に見えないたくさんの小さな物質が関与していることに気がつきました。もともと理科や実験は好きでしたが、ヒトを構成している小さな世界では一体何がおきているのかを詳しく知りたくなり、大学ではなく、2年間で基礎から学び直せる専門学校へ入学を決めました。
TTCは自宅からのアクセスの良さと豊富なカリキュラム、そして実験授業の多さで選びました。
―――学生時代の心に残っている思い出を教えてください。
1)授業について
授業は実習が多く1日があっという間に過ぎていきました。中でもタンパク質粗抽出などの実験で使用したSDS-PAGEのゲル板を作る作業は、とても苦労しました。気泡が入ったり、ゲルが緩すぎたりすると使えないため、何枚も何枚も作り直した苦い思い出があります。最初はうまくいかなかったけれど、クラスみんなで教え合い、卒業する頃には誰もがちゃんと作れるようになっていて嬉しかったです。
2)イベントについて
RJPの授業の一環で『こども理科実験教室』を開催したのが思い出に残っています。イベントの計画、プロトコル作成や予備実験、ポスターの貼り出し、イベント実施までをチームのメンバーと協力しながら行いました。参加してくれた地域の子どもたちの楽しそうな顔は今でも忘れられません。貴重な体験をさせていただいたと思っています。
3)先生について
バイオ科は特に個性豊かで、様々なバックグラウンドをお持ちの先生方が多く、座学も実習も楽しみでした。バイオ技術者として大事な基礎知識や最近ホットな業界の話題、一生使うことのなさそうな超マニアックな話まで、幅広く伺うことができました。先生方が恋しくて、卒業して社会人になった今でも、時々バイオ科に帰りたくなります。

――― 在学時代はどんな学生だったと思いますか?
そうですね、手の抜き方を知っている学生だったと思います(笑)。ここには100%エネルギーを注ぎ、ここはちょっと抑えるといった感じで取り組んでいました。要領がよかったのでしょう。すべて全力疾走で取り組むと、途中で燃え尽きたり、体を壊してしまうこともあります。メリハリをつけて取り組んだおかげで、私は初心を忘れず2年間モチベーションを保ちながら学校生活を送れました。
―――バイオ科での学びが現在の仕事に活きていると感じることはありますか?
大いにあります。現在は、新薬の研究開発に伴い、HPLCなどの測定機器を使用して分析を行っています。実験器具の操作など基本技術はもちろんですが、試薬のロット番号や秤量記録をしっかりノートにとり、いつ何をやったのか後から見返した時にわかるようにする習慣は、バイオ科で身につけました。これは、仕事で当たり前に求められます。入社時点で、これができると会社で一目置かれますよ。
また、TTCバイオ科は、いろんな年齢の学生が集っていたので、年上年下に関係なく円滑にコミュニケーションができるようになりました。
――― 就職を目指す在学生へエールをお願いします。
バイオ系と一括り(ひとくくり)にしても就職先はたくさんあります。理想通りの完璧な会社はありません。できるだけたくさんの会社を見て、比べて、好きなところを探してみるといいと思います。たとえ就職活動で思ったような結果が得られなくても、チャンスは新卒採用の時だけではありません。信念や自分らしさを大切に就職活動に取り組んで欲しいと思います。
―――これからの夢を教えてください。
現在まだ治療法が確立していない疾患を治す医薬品を開発したいです。絶賛転職活動中なので応援よろしくお願いします(笑)。

〈今野さんと松井先生。久しぶりの再会で話に花が咲く〉
「70本の試験管を平然と洗っていたら、職場の人に驚かれました。TTCでは日常でしたよね。」と笑って話す今野さん。学生時代はつらかったか聞くと、「しんどい時もありましたが、先生は間違っていませんでした。本当にTTCに入ってよかった。」と。このセリフを聞いて松井先生と私は顔を見合わせた。お互い言いたいことは同じなのだ。将来、学生の役に立てばと、手を抜かず厳しく指導してきたことが、卒業生の一言で報われた気がした。卒業生からの感謝の言葉は教師にとって麻薬である。このご褒美があるから教師業を続けているのかもしれない。最後に、在学生とTTCバイオ科入学を希望する方にこの言葉を届けたい。
TTCバイオ科は、文理不問、年齢不問。やる気のある人求む。授業の6割以上が実験。授業時間を延長する実験多し。算数必須。レポートやノートに追われる日々。妥協を許さぬ講師陣。大学より短い休み。しかし、卒業の暁には、確かな技術力が得られる!
◆卒業生インタビュー バックナンバー◆
Part1 西尾さん(2008年 バイオ科卒)『植物とペンギンが好き!仕事も趣味も楽しむ生き方』
Part2 植竹さん(2008年 バイオ研究科卒)『専門学校で培った経験を武器にクラフトビール業界に旋風を巻き起こす!』
Part3 今野さん(2020年 バイオ科卒)『文系大学を出てから専門学校でバイオ技術を学ぶ!医薬品開発を仕事に』
Part4 吉野さん(2021年 バイオ科卒)『私が証明します いつからでも学び直せる!』
Part5 今村さん(2016年 バイオ科卒)『大学を中退して専門学校へ 挫折経験をバネに電力業界で働く』
Part6 西村さん(2020年 バイオ科卒)『実験を貪欲に取り組んだ学生時代 あの時の経験が今の私を支えています』
Part7 大森さん(2008年 バイオ科卒)『目的意識を持ちながら取り組むことが大事! 仕事も学生時代の実験も』
Part8下田さん(2017年 バイオ科卒)『勉強だけじゃない!バイオ科で学んだ大切なもの』
Part9 T・Sさん(2020年 バイオ科卒)『東大大学院から専門学校へ 古生物研究の情熱を、バイオ検査のスペシャリストとして活かす』
インタビューを受けてくれる卒業生大募集!
(インタビュー関係なしに、卒業生の近況報告お待ちしています!みなさん元気かな?)
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担当講師: 松井
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