第13回「遺伝子検査活用セミナー」オンライン開催 (バイオテクノロジー科)
第13回「遺伝子検査活用セミナー」をZoomによるオンラインセミナーとして開催いたしました。
当日は、クリスマス直前。TTC東中野校舎入口には、インテリア科学生制作のクリスマスツリーが飾られ、クリスマス色の中で、セミナーは行われました。
オンラインセミナーの配信は、4階の実験室から行いました。
開催案内はここをクリック
ポスターはここをクリック
【セミナー概要】
近年、遺伝子解析技術の進歩に伴い、栄養と遺伝子の関係、個人の体質と病気へのリスクなどに新たな展開がなされています。個人を対象とした遺伝子検査は、期待されている反面、検査結果をどう解釈し、どう生かすか、注意すべきポイントは少なくありません。DNA アドバイザー認定資格取得要件も兼ねた本セミナーでは、この分野の第一線でご活躍の先生方をお招きして、その実例や課題、また未来も含めてお話いただきます。
日時:2022年12月22日(木)18:00-20:50
協賛:特定非営利活動法人 日本バイオ技術教育学会 (JABE)
セミナーは、午後6時より始まりました。
初めに、川口竜二(DAAJ理事・ファウンダー)からご説明がありました。
続いて各登壇者からの講演が続きました。
各講演者のプレゼンテーションスライド
オンライン講演では、音声付きパワーポイントスライドを用いました。
前半演題
座長:川口理事
1)遺伝子検査活用セミナー開会挨拶
田村弘志 (Hiroshi Tamura, Ph.D. )
日本DNAアドバイザー協会会長、LPSコンサルティング事務所代表(博士(学術))
遺伝子関連検査、とくに遺伝学的検査についての解説に始まり、DTC遺伝子検査に対する様々な見解、利用者に提供すべき留意事項について説明がありました。これらを踏まえて日本DNAアドバイザー協会(DAAJ)の目指すところをお示しいただきました。
2)食事と遺伝子
蒲池桂子(Keiko Kamachi, Ph.D.)
女子栄養大学 栄養クリニック教授 (博士(栄養学))、管理栄養士
女子栄養大学の栄養クリニックについてのご説明をいただいた後、クリニックで実践されている遺伝子多型に基づく栄養指導と成果について、具体的なデータを示され科学的な視点から解説をいただきました。
3)栄養生化学と遺伝子バリアント
香川靖雄(Yasuo Kagawa, MD, Ph.D.)
女子栄養大学副学長(医学博士)、医師
日本人の食生活の現状、欧米人とアジア人、さらには日本人の遺伝子バリアントの違いに基づく最適栄養の考察など、香川先生のご研究で得られた最新の知見に基づく成果を分かり易く解説くださいました。香川先生ご自身が、遺伝子多型による「遺伝子栄養学」を実践されて健康な生活を送られています。
4)ゲノムリテラシーの醸成と教育
大藤道衛(Michiei Oto, Ph.D. )
日本DNAアドバイザー協会理事、東京テクニカルカレッジ講師(博士(医学))
DTC遺伝子検査を理解するために必要な基本的な用語の解説、ヒトゲノムに関わる個人遺伝情報の取扱い方、米国で行われているゲノムリテラシーを育む教育と日本の現状について事例を挙げた説明がありました。
休憩
後半演題
座長:大藤理事
5)資格認定とその活用
川口竜二(Ryuji Kawaguchi, Ph.D.)
日本DNAアドバイザー協会理事・ファウンダー、㈱プロップジーン代表取締役(博士(工学))
DAAJ認定の「DNAアドバイザー」資格の概要、受験にあたり学ぶべきことについての講義がありました。さらに新型コロナウイルス感染症の検査手法や現状について具体的なデータを交えた詳細な解説がありました。最後に、DNA繰返し配列多型による個人識別についてもデータを交えた先端技術の説明をいただきました。
6)病気とゲノムの理解・本セミナー総括
村松正明(Masaaki Muramatsu, MD, Ph.D.)
日本DNAアドバイザー協会特別上級顧問、東京医科歯科大学名誉教授 (博士(医学))
村松正明先生は、ポリジェニックスコアによる多因子疾患の解析についての最先端のお話をいただくとともに、DTC遺伝子検査の位置づけなど本セミナーを総括してくださいました。
閉会の挨拶(田村弘志 DAAJ会長)
本セミナーはDAAJの「DNAアドバイザー認定講習会」を兼ねております。
来年も本セミナーを継続して行います。
長時間に渡りご視聴いただきました受講者のみなさま、ありがとうございました。
対談:田村会長(DAAJ), 蒲池教授(女子栄養大学)
閉会の前に対談が行われました。栄養遺伝学という分野、栄養クリニックの実践について、ご自身のご研究成果を交えたお話を伺いました。
東京テクニカルカレッジ・バイオテクノロジー科学生7名もオンラインで聴講いたしました。
参加した学生によると、新しい分野である「遺伝子多型と食事や栄養」については身近な問題で興味がわいたようです。DTC遺伝子検査や遺伝学的検査、新型コロナウイルス感染症の先端遺伝子解析技術、さらには検査に関わる個人遺伝情報について学び、自分たちのゲノムについて考えるよい機会となったようです。
【日本バイオ技術教育学会のご紹介】
ご協賛いただきました日本バイオ技術教育学会は、バイオ技術者認定試験*の実施、バイオ教科書**の出版、 学術総会の実施、学会誌の発行などを通じて、バイオテクノロジーの専門家の養成を行い、さらにはバイオテクノロジーに対する市民からの理解を深める積極的な活動を行っています。
*バイオ技術者認定試験は、多くの本学学生/卒業生が受検し認定を受けております。**学会教科書のいくつかは、本学バイオテクノロジー科の教科書として採用しております。
これまでの遺伝子検査活用セミナー
第12回の様子(2021年12月16日TTC実験室にてWEB開催)
第11回の様子(2020年12月17日TTC教室にてWEB開催)
→専門誌「医療と検査機器・試薬」2021年4月号に特集として掲載されました。→ここをクリック。
第10回の様子(2019年12月12日TTC教室にて開催)
→専門誌「医療と検査機器・試薬」2020年6月号に特集として掲載されました。→ここをクリック
第9回の様子(2018年12月19日TTC教室にて開催)
【配信中の感染防止対策】
DAAJの方々には感染防止対策を施した実験室にお越しいただき、講演を配信いたしました。
来校の際は、校舎入口にて検温・消毒の後、マスク着用で距離をとって座っていただきました。
講演や対談などではアクリル板を設置しマスクを外してお話しいただきました。実験室に設置された空気清浄機ならびに、ドラフトチャンバーを稼働させ、ドアを開けて換気に留意いたしました。