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2020.12.24 バイオテクノロジー科

第11回「遺伝子検査活用セミナー」はオンラインで開催されました。

2020年12月17日(18:00 ~21:00 )第11回遺伝子検査活用セミナーがZoomによるオンラインセミナーとして開催されました。

開催案内はここをクリック

 

 

主催:日本DNAアドバイザー協会(DNA Adviser Association of Japan: DAAJ)

共催:専門学校東京テクニカルカレッジ(TTC)

協賛:日本バイオ技術教育学会

 

近年、遺伝子/ゲノム解析技術の進歩にともない、個人向け遺伝子検査サービスが欧米を中心に急速に普及しつつあります。

個人向け遺伝子検査(Direct-to-consumer (DTC) genetic testing)には、肥満や高血圧など生活習慣病と関連性の高い個人の体質や特定の病気にかかるリスク、さらには学習や運動能力の把握など、サービスは多岐にわたります。このような遺伝子検査に対する社会からの期待が高まる反面、検査結果をどう解釈し、どう生かすか、注意すべき点も少なくありません。現状を踏まえて、本セミナーはDAAJ会員、バイオ業界、遺伝子検査業界関係者に向けて開催されました。各分野を専門とする講師から遺伝子検査の実例や課題、将来の展望も含めた内容となりました。

Zoom配信は、感染防止対策のもと、講演者とスタッフのみ来校によりWeb動画クリエーター科教室(505)にて行いました。

 

午後6時、DNAアドバイザー協会川口理事の司会によりセミナーは開始されました。

 

演題1:「DNAアドバイザー協会(DAAJ)の活動趣旨」

田村弘志 DNA アドバイザー協会会長(Hiroshi TAMURA, Ph.D.)

LPSコンサルティング事務所 代表(博士(学術))

 

田村会長から、医療における遺伝子検査/遺伝学的検査、ならびに医療機関を介さない個人向けDTC遺伝子検査について違いや問題点の講義がありました。続いて遺伝検査の正しい理解を進めるためのDAAJの活動概要、DAAJが行うDNAアドバイザー認定についての説明がありました。

 

 

演題2:「遺伝子検査活用セミナーの習得基準と周辺技術の動向

川口竜二 DNAアドバイザー協会ファウンダー/理事(Ryuji KAWAGUCHI, Ph.D.)

株式会社プロップジーン 代表取締役社長(博士(工学))

 

はじめにDNAアドバイザー認定のついての詳しい解説の後、多数の遺伝子が関係する体質と疾患について、DTC遺伝子検査の有用性について具体的事例を挙げた講義がありました。講義の中にはDNAアドバイザー認定試験に関わる事項が盛り込まれており、DNAアドバイザー認定の受験希望者にとって重要な講義となりました。更に、ゲノム編集技術の動向、COVID-19のPCR検査の最新動向についてわかりやすい解説がありました。

 

 

演題3:「ゲノム利用に向けたリテラシー教育」

大藤道衛 DNAアドバイザー協会理事(Michiei OTO, Ph.D.)

東京テクニカルカレッジ(TTC)講師(博士(医学))

次世代シークエンサー(NGS)の発展によりゲノム情報に基づくゲノム医療が進展してきたことから、米国を中心にこの10年でゲノムリテラシーの醸成を目指す教育が進んでいます。米国と日本でのゲノムリテラシー教育を比較することで、我が国におけるゲノムリテラシー教育の位置付けや方向性の説明がありました。さらに具体的なゲノムリテラシ―醸成に向けた教育教材の事例、混同しやすい遺伝用語の解説がありました。

 

 

演題4:「NGS解析とその臨床応用」

ゲストスピーカーによるご講演

飴谷章夫先生(Akio AMETANI, Ph.D.)

インフォバイオ株式会社 代表取締役(農学博士)

 

従来のサンガーシークエンサーと次世代シークエンサー(NGS)の違いと優れた特徴についてお話くださり、続いてパネル検査、エクソーム検査、全ゲノム検査などNGSを用いた遺伝子検査についてご講義いただきました。特にがん遺伝子パネル検査、リキッドバイオプシーについて丁寧に解説いただきました。さらにNGSによる遺伝子検査の展望について最新の知見を交えてご講義いただきました。

 

 

演題5:「遺伝病医師が語る出生前診断の有用性」

ゲストスピーカーによるご講演

遠藤侑香先生(Yuka ENDO, M.D.)

東京エバーグリーンクリニック 内科医師、デリメド株式会社 代表取締役

特定非営利活動法人こどもたちのこどもたちのこどもたちのための 理事

 

様々な出生前診断と検査について概説され、特に新型出生前診断(NIPT)の技術的な裏打ちやスクリーニング検査の限界、倫理的な問題の解説をいただきました。受検者への実施施設(認定施設、無認定施設など)の選択や検査体制についてのアンケート調査から見えてくる受検者からみたNIPT。さらに遺伝病当事者の医師としてみずからのご経験を踏まえた具体的なお話を通じて、これからのNIPTの方向性を示してくださいました。

 

受講者からのご質問はチャットやメールで受けました。

長時間に渡りご視聴いただきました受講者のみなさま、ありがとうございました。

 

今回、ゲノム解析、遺伝子検査分野に興味ある東京テクニカルカレッジ・バイオテクノロジー科学生も聴講いたしました。各講師のご講義は、学生にとって大変貴重な経験となったようで講演終了後直ちに感想を送ってきた学生もおりました。またDNAアドバイザーにすでに認定された卒業生の参加もありました。

 

【参考】これまでの遺伝子検査活用セミナー 

 

第10回の様子(2019年12月12日開催)

医療と検査機器・試薬 2020年6月号に特集として掲載されました。→ここをクリック。

第9回の様子(2018年12月19日開催)

日本バイオ技術教育学会のご紹介】

ご協賛いただきました同学会は、バイオ技術者認定試験、バイオ教科書の出版、
学術総会の実施、学会誌の発行などを通じて、バイオテクノロジーの専門家の養成を行い、さらにはバイオテクノロジーの一般市民への理解を深める積極的な活動を行っています。

 

 

【感染防止対策】

演者の方々がスタジオに入り感染防止対策を施して配信しました。

空気清浄機を設置したスタジオは、ドアと窓を開けて換気に留意しました。

全員検温、消毒の後、マスク着用で距離をとって座りました。

演者のみマスクを外して講演をいたしました。

 

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