2024年度 RJP活動報告 №2(総集編)
東京テクニカルカレッジ(TTC)にはRJPというユニークな授業があります。RJPは、Real Job Project
(リアルジョブプロジェクト)の頭文字で、学生が主体となり実際の仕事で必要な、企画、予算計画、実行、振り返り、改善などのPDCAサイクルを継続して行うTTC独自のプログラムです。
バイオテクノロジー科(バイオ科)では、実験で身につけた仮説検証のノウハウを活かして、モノづくりや理科実験、花壇整備などを行いバイオテクノロジーの魅力をSNSで発信しています。今年度のバイオ科は1,2年生混合の8班編成で、毎週金曜日(2期~4期)に活動しました。これまでの班ごとの取り組みをご紹介します。
(写真掲載の許可をえた学生のみ顔出しの写真を載せています)
コンポスト班
東中野区民活動センターと輝心堂の下倉様のサポートを受けて、家庭の生ごみからコンポスト(堆肥)をつくり、土壌成分やpHを分析しました。生ごみの他にキノコの菌床を入れると微生物の働きが活発になり、より早く野菜くずの分解がすすむことを発見!4期は、自分たちでつくった堆肥で野菜や花を栽培したり、東中野区民活動センターの花壇づくりのお手伝いをしました。地域のみなさんとコンポストを通じて、つながることができました。
園芸班
園芸班は、TTC6階テラスの花壇や東中野区民活動センターの畑をお借りしゲノム編集で作出したGABAトマトやスイカ、イチゴ、キャベツ、ブロッコリーを栽培しました。夏休みには東中野区民活動センターで小学生を対象にした理科実験教室を開催。東中野の小学生と一緒にGABA量測定実験をして交流を楽しみました。
4期は、収穫したキャベツやブロッコリーを使って加工食品づくり。ブロッコリージャムっておいしいの!?ブロッコリーにパイナップルを加えると酸味と甘みのバランスがとれたおいしいジャムができるのだとか。試食会も盛り上がりました。
石班
人工結晶や鉱物をモチーフにしたものづくりを通してサイエンスの魅力を発信した石班。これまで、ミョウバン結晶アクセサリー、琥珀糖、ビフォスファマイト、スケルトンリーフなどたくさんの可愛い小物やお菓子をつくってきました。
また、9月のオープンキャンパスでは、見学者と一緒にエコカイロをづくりを企画。カイロづくりだけでなく、なぜ、酢酸ナトリウムに衝撃を加えると温かくなるのか、化学の知識も見学生にわかりやすい説明していました。
クッキー班
クッキー班は、東京テクニカルカレッジ(TTC)の知名度アップのため、TTCロゴ入りクッキーづくりにチャレンジ。2期では、型のデザインを考えたり、焼き時間やクッキーの厚みを検討して、おいしいクッキーのレシピをつくりました。3期は、IoT+AI科とコラボレーションし、3Dプリンターを使ってプラスチック製のTTCロゴを制作。これを作って、さまざまなロゴ入りクッキーを試作しました。
4期は、味のバリエーションを増やしました。試食会では、園芸班が作ったキャベツをパウダー化し、生地に練りこんで作ったお好み焼き風のクッキーや、チョコチップやバナナが入ったクッキーなどが並びました。
グミ班
グミ班は、味も食感も絶妙なオリジナルグミづくりをしました。2期では、リンゴ、コーヒー、オレンジ味のグミを作りました。グミは火加減や水あめや砂糖、ゼラチンの分量を少しでも間違うと、固まらないとても難しい菓子です。試行錯誤しながら、弾力や硬さにこだわりました。3期は、味に変化をつけ、ジャム入りグミをつくりました。4期は、練乳やレモン果汁を注入したグミにチャレンジ。味も見た目もどんどん進化し、試食会ではユニークでおいしいグミにみんなが感動していました。
ゼリー班
ゼリー班は、おいしいだけでなく、バイオテクノロジーの知識や技術を活かしたゼリーをつくりました。2期で作ったのは炭酸ゼリーとあじさいゼリーです。あじさいゼリーは、紫キャベツのアントシアニン色素をpHで色を変化させて作るので、見た目も鮮やかで、理科実験の教材としても使えそうです。クラウドファンディングで資金を調達し、レシピとなる研究ノートづくりにもチャレンジしました。
3期、4期はブラックライドで光るビタミンB2入りのゼリーや、アルギン酸ナトリウムを使いイクラのようなつぶつぶしたゼリーを試作しました。すべてのゼリーに理科実験の要素が入っています。食べるだけでなく、つくって楽しいアイデアゼリーはSNSでも注目され、たくさんの『いいね』をもらいました。
理科実験班
バイオテクノロジーの知識を活かした楽しい理科実験を紹介しています。2期はプラスチックから繊維づくりにチャレンジしました。3期は、バイオの実験器具で楽器づくりに挑戦。発表会では、三角フラスコを楽器にして『きらきら星』を演奏しました。
4期は、ヨウ素でんぷん反応を繰り返すBR反応(振動実験)の実験を披露。透明→黄色→紫と瞬時に色が変わる化学反応を紹介してくれました。
マニュアル班
2期は、実験機器の取り扱い方法をまとめたマニュアルを作成しました。これまで、イオン交換水、乾熱滅菌機、オートクレーブ、分光光度計、培養器、高速遠心機、クリーンベンチ、凍結乾燥機、ドラフトなどの説明書が完成しています。3期はバイオ科の器具、機器のマップづくり。これで、モノ探しの時間は大幅に短縮できるはずです!4期は、試薬、器具類のデータの資料集が完成しました。今後、バイオ科の実習ではマニュアル班が作成した貴重なデータが役にたつことでしょう!
2024年度のRJP活動の様子は学生がX(旧Twitter)、Instagram、TikTokに掲載しています。
ぜひ、学生の取り組みをご覧頂ければ幸いです。
2025年度も、バイオテクノロジーの魅力を発信する活動をおこなっていく予定です。お楽しみに★
◆2023年度 RJP活動報告 バックナンバー◆
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文責:宮ノ下いずる