環境保全エンジニアとは
環境保全エンジニアは、公害を防止したり環境保全に役立てたりための機器を設計、制作、メンテナンスする仕事で「環境エンジニア」「環境保全技術者」ともよばれます。
大気汚染や水質汚濁、騒音などの状況を調べる機器や、産業廃棄物を処理する装置などの開発に携わったり、調査や機器に生かすための技術開発をしたりするのが主な仕事です。
近年では、エネルギー消費を防ぐ省エネに関する機器や、リサイクル技術の開発などを手掛ける人もいます。
近代化が進むにつれ、私たちは自然界にさまざまな悪影響を及ぼし、公害や環境汚染が社会問題化しています。
そこで、環境へ与える影響を最小限に抑えながら、人間の快適な生活を守る環境保全エンジニアという仕事が誕生し、近年急速に需要が高まってきています。
環境保全エンジニアの仕事内容
新しい機器や技術を開発するエンジニアの中でも、環境保全に関わるものを専門的に行う仕事です。
手掛けるものは水質・土壌に関するもの、廃棄物処理に関わるもの、騒音や浄水に関するもの、省エネ対策をするものなど実にさまざまです。
環境保全に関わるさまざまな機器の設計・製作・メンテナンスを行うだけでなく、新しい技術の開発や、場合によっては調査研究まで行うこともあります。
環境保全エンジニアの勤務先
主な活躍の場は、環境に携わる機器メーカーや機械メーカーの開発・研究部門、民間や公的な調査機関などです。
技術者として採用されると機器開発が中心となりますが、研究職として採用されると、実際に機器を使用した大気汚染や騒音の測定、水質汚濁の数値の調査研究が中心となり、企業によってかかわる分野や作業内容が異なります。
環境保全エンジニアの将来性
近年では、一般企業も自然環境保護やSDGsに力を入れており、大企業では省エネ対策やリサイクルが重要な課題となっています。
公害を防ぐ機器や環境保全対策の技術は今後ますます需要が高まっていき、活躍の場が広がっていくと考えられます。
環境保全エンジニアになるには
環境保全エンジニア関連の学校
環境保全エンジニアになるために必須の学歴や資格などはありませんが、環境保全に関わる上で、環境や工学に関する知識が欠かせません。
とくに採用の際にも実績や研究結果が重視される傾向があるため、機械工学、電子工学、生物工学、また環境保全技術が学べる大学や専門学校を出ていると就職する際にプラスになります。
環境保全に深くかかわる廃棄物処理やエネルギー、バイオテクノロジーなどについて学ぶのもおすすめです。
近年は環境問題やテクノロジーに関して学べる専門学校も増えてきており、実験や実習、フィールドワークなどを通しながら環境保全、資源、工学の基礎などの知識や技術を習得できます。
環境保全エンジニアにはさまざまな就職先や仕事があるため、大気・水質・土壌など、どのような環境に関わりたいのか、開発と研究のどちらを担当したいのかなどを考えておくと進む道が見えてくるでしょう。
環境保全エンジニア関連の資格
関連する資格には「環境測定分析士」「環境計量士」などがあり、学生時代から取得できるものもあります。
カリキュラムの中でこうした資格取得をサポートしてくれる学校もあるため、興味関心があれば積極的に勉強をしておくとよいでしょう。
「土壌環境管理士」や「土壌環境保全士」などの資格もありますが、これらは、就職のために取得するというよりは、実際の自分の業務や興味関心に合わせて取得していくという人が多いようです。