留学生インタビュー第4弾 『バイオテクノロジーと漢字が大好き!スリランカから夢を追って日本へ』
今回は、バイオテクノロジー科で学ぶスリランカ出身の留学生、ディヌジャさんをご紹介します。インタビューでは、母国の文字“シンハラ語”の面白さ、大好きな日本の漢字、そして彼女の将来の夢まで、たっぷり語っていただきました。
(留学生インタビュー英語版はこちら)
先日、彼女のノートを見せてもらったときのこと。きれいな日本語の文字の下に、見たこともない不思議な文字が並んでいて、思わず「わぁ~なにこれ!」と声を出してしまいました。丸くて、くるんとした尻尾。なんだかブタの後ろ姿みたいなこの文字。かわいらしくて、思わず見入ってしまいます。これは、スリランカで使われているシンハラ文字なんだそうです。
◆シンハラ文字の魅力
宮ノ下:
「この文字、なんて読むんですか?」
ディヌジャ:
「これは“O(オ)”です。日本語のひらがなは50音ですが、シンハラ文字も60文字くらいあります」
宮ノ下コメント:
ディヌジャさんが、見せてくれたシンハラ文字の表を見ると、すべてが丸みを帯びたかわいらしい形をしています。シンハラ文字が丸い理由を調べてみると、昔、ヤシの葉に文字を彫っていたため、直線を使うと葉が破れてしまうからだそうです。なるほど、書く“素材”が文字のデザインに影響するなんて、面白いですね。
◆漢字が大好き!文字に恋するディヌジャさん
宮ノ下:
「シンハラ語とひらがなって、少し似ていますね。」
ディヌジャさん:
「はい。ひらがなは曲線が多いので、シンハラ文字と似ています。“は”とか“ぬ”“め”“む”はすぐに覚えられました。ですが、実は、私は漢字の方がもっと好きです」
宮ノ下:
「漢字ですか?日本人でも苦手な人がいるのに、どうして好きなのですか?」
ディヌジャさん:
「もともと文字を書くのが好きなのですが、漢字には、直線が多くて、シンハラ語にはないカッコよさがあるんです。それに、文字に意味があるのも面白いです。」
宮ノ下:
「文字の違いを楽しんでいるのですね。特に好きな漢字はありますか?」
ディヌジャさん:
「『微』です。なかなか覚えられなくて、何回も何回も書いて練習しました。だから、とても思い入れがあるんです。」
宮ノ下:
「バイオの勉強をしていると、“微生物”や“微小管”など、よく登場するので、好きな漢字をたくさん使えますね。」
宮ノ下コメント:
丸い文字に親しんできた彼女が、今では直線の文字に美しさを見出している。その視点の変化がとても印象的でした。
◆ディヌジャさんが日本に来たのは、あの有名なテレビドラマがきっかけ!
ディヌジャさん:
「日本に興味をもったきっかけは、母国で見た日本のテレビドラマ『おしん』でした。ストーリーが感動的で夢中になったのですが、それだけでなく、出演者が着物を着ていたので、文化の違いがとても新鮮でした。一度でいいから日本に行ってみたい、と思うようになりました。」
宮ノ下:
「『おしん』ですか!名作ですね。あの時代の暮らしは、現代の日本とは少し違いますが、きっと心に残るものがあったのですね。実際に、あこがれの日本に来て、嬉しかったこと、驚いたことはありましたか?」
ディヌジャさん:
「一番、嬉しかったのは、日本語学校を1年間、無遅刻・無欠席で通い切って、卒業式で皆勤賞をいただいたことです。体調が悪い日もありましたが、がんばった自分を誇りに思えました。先生にも褒めてもらえたのが嬉しかったです。
驚いたことは、やっぱり“地震”です。スリランカではほとんど地震がないので、初めて震度3の揺れを経験したときは、本当に怖かったです。」
◆ 勉強も仕事も全力投球!ディヌジャさんのパワフルライフ
宮ノ下:
「好奇心旺盛なディヌジャさんですが、やはり勉強とアルバイトの両立は大変なのでは?」
ディヌジャさん:
「はい、夜は牛丼屋さんでアルバイトをしています。深夜なので疲れることもありますが、休憩時間にはカルテ(授業の確認テスト)を見直したり、課題を進めたりしています。私は、バイオテクノロジーの分野が好きで、新しいことを学ぶのが楽しいので、寝る時間が少なくても、あまり苦になりません。」
宮ノ下:
「すごいですね。これから専門学校に進もうとしている留学生に、何かアドバイスはありますか?」
ディヌジャさん:
「やはり、“どれだけ興味があるか”が大事だと思います。バイオテクノロジー科は授業も多くて、ノートや実験も大変。でも、私はこの分野が大好きなので続けられます。興味がないと、きっと途中でつらくなってしまうと思います。」
宮ノ下コメント:
夜遅くまで働きながら、限られた時間の中で勉強も手を抜かないディヌジャさんの姿を見て、日本の有名なドラマ『おしん』の主人公のようだと思わずにはいられませんでした。努力を重ねることで夢に近づくその姿勢は、きっと多くの人の励みになるはずです。
◆将来の夢
ディヌジャさん:
「医療分野にとても興味があります。患者さんの検体を調べて、病気の原因を突き止めたり、治療に役立つ仕事をしたいです。」
宮ノ下コメント:
国を超えて、高い志を持って学び続けるディヌジャさんの姿には、私たち教員も大きな刺激を受けています。これからも、多様な文化や経験をもつ留学生の声をお届けしていきますので、ぜひ楽しみにしてください。
★留学生インタビューバックナンバー★
留学生インタビュー第1弾 『大学ではなく専門学校で学ぶ。その理由は… 』(2021年)
留学生インタビュー第2弾『大好きな日本アニメで日本語を習得! TTCで見つけた新しい夢』(2023年)
留学生インタビュー第3弾 『バイオへの情熱、イタリアから日本へ フィレンツェ対談』(2025年)
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