実験とスイーツのプロフェッショナル バイオ科助手・菅井先生のお仕事
今回のブログは、バイオ科助手・菅井先生をご紹介いたします。
金曜の夕方、バイオ科の実習室に、ふと甘い香りが漂ってきました。
「あれ?チョコレート?」
ドアを開けてみると、そこには湯せんにかけたボウルと真剣な眼差しの助手・菅井先生の姿が。
「日曜日開催のオープンキャンパスのチョコレートづくりの試作をしているんです」
そう話す先生の手元では、テンパリング中の滑らかなチョコレートがボウルに広がっていました。
◆ チョコレートは「科学」だった!?
「チョコレートのくちどけって、カカオバターの結晶の状態で決まるんですよ」
そう教えてくれた先生。
カカオバターには複数の結晶の形があり、その中でも“Ⅴ型”と呼ばれる結晶構造が、最もくちどけが良いのだとか。
温度管理をたった0.5℃間違えるだけで、美味しさも見た目も台無しに。パティシエの仕事は正確性が求められる“実験”とよく似ているそうです。
◆ 異色の経歴 調理専門学校卒 → パティシエ → 香料メーカー → バイオ分野へ
そんな菅井先生、実はこのバイオテクノロジー科の卒業生です。
調理の専門学校を卒業後、パティシエとしてスイーツの世界へ。その後、食品の香料を扱う会社に転職し、製品開発の仕事をする中で、「再び科学をしっかり学び直したい」と思うようになったそうです。専門人材としてバイオ科に入学し、今では助手として学生の学びを支える立場になりました。
◆ 実験も教育も、丁寧な「仕込み」から
現在の菅井先生の仕事は幅広く、
・学生の掃除の指導や確認
・授業の配布物の準備
・試薬の発注や管理
・実習の予備実験
・学生への補習や再試験の運営
・RJP活動や卒業研究のサポート(食品班)
・情報リテラシーの授業
・資格対策の授業(毒物劇物取扱者試験、危険物取扱者試験など)
・そしてオープンキャンパスでの“チョコレートづくり講座”!
など、多岐にわたります。
しかも先生は統計分野にも関心があり、現在は独学でPythonの勉強に取り組んでいます。
「統計が苦手な学生が多いので、何かサポートできればと、少し勉強しています」と菅井先生。
「パティシエで、バイオ技術者で、バイオ統計分野にも明るい」……最強すぎませんか?
◆ インタビュー:菅井先生に聞いてみました!
Q. パティシエの経験が今の仕事に活きていると感じることはありますか?
「パティシエとして実際に食品を取り扱ってきた経験があるので、オープンキャンパスや卒業研究などにおいて、実践的な知識や技術を提供できるところだと思います。また、当時培った忍耐力は、今の仕事に活きていると思います。」
Q. 助手の仕事のやりがいは?
「学生の成長を間近で見守れるところだと思います。私のサポートが実験結果に直接影響するため、責任の重さを感じる一方で、自身の貢献が学生の学びに直結しているという実感が得られます。」
Q. 教育で心がけていることは?
「立場が異なると視点も変わることを意識するようにしています。自分が学生だった頃を思い出し、学生からの視点を忘れないように指導することを心がけています。」
◆ 先生でもあり、先輩でもある!
学生にとって菅井先生は、先生であり、先輩であり、よき相談相手です。
年齢が近く、実際に「同じ道を歩んできた先輩」でもあるため、親しみやすく、頼れる存在。
時に専門的に、時にお菓子の話で盛り上がったり……そのちょうどよい距離感が、学生たちの学びの環境をより温かくしています。
細やかな気配りでいつもバイオ科を支えてくれる菅井先生に、教員も学生も心から感謝しています。ありがとうございます!
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