2022年度 第5回 学生通信『腐りかけのキャベツ』(東京テクニカルカレッジ バイオテクノロジー科)〔G13 -108〕
月末の金曜日は、バイオ科RJP広報班による学生通信をお届けします。
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一昨日は、サッカーW杯日本代表が大金星を挙げましたね!
このまま勢い余って優勝してくれないかな?と割りと真剣に思うております✧٩(ˊωˋ*)و✧
さて。
今日も面白い授業を記事にしていきますよ。
少々くどいようですが笑、微生物の授業です(☆∀☆)
腐敗が始まって食べられなくなったキャベツの、特に腐敗が進んでいる部分を使って培養実験をしてみました。要するに、腐りかけのキャベツです。
あ、これまたくどいようですが、授業の一環です。遊びじゃないですよ笑。
どういう実験かというと、特定の微生物(主に細菌)が増殖すると様子が変わる(色が変わったりする)培地を数種類使い、大まかにどんな細菌がいるのかを推定するものです。
最初に、今回使った培地の種類を簡単に紹介します。
<デソキシコーレイト培地>
簡単に言うと、酸性に傾くと赤色になる培地です。大腸菌群は代謝により次々と乳酸を生じて培地を酸性にしていくので、大腸菌群がこの培地にいるとコロニー(細菌が集まって肉眼でも見えるようになった塊)が赤くなるのです。ちなみに、本来大腸菌のコロニーは白です。
<EMB培地>
この培地も、酸性になると色が変わる培地です。こちらは、コロニーがコガネムシみたいな、あんな光沢をもった緑のような紫のような、不思議な色になります。培地を酸性にしない細菌がいると、ピンク色のコロニーができます。
<トリコロール>
この培地の場合は、培地が持つ物質と大腸菌が持つ物質が反応することでコロニーが赤紫色になります。大腸菌群の中でもEscherichia coliという種類の大腸菌だと、また別の物質と反応して青紫色になります。そして、それ以外の細菌がいた場合は色が変わりません。これにより、大まかに大腸菌かそれ以外か、という判別が出来るようになります。
<マンニット>
この培地では、食中毒の原因菌ともなる黄色ブドウ球菌が元気いっぱい成長します。その際に酸を生じるのですが、この培地は酸性になると色が赤から黄色に変わる性質を持っているので、黄色ブドウ球菌がいると一発で分かっちゃいます。
こいつらを使って、腐りかけのキャベツにどんな細菌がいるのか調べてみました!
まずはデソキシコーレイト。培養結果はこんな感じです↓
コロニーが薄い赤に染められていますので、多分大腸菌群がいるのかな~、と推測できます。
ただ白っていう見方も出来るので、まだ検討が必要です。
次にEMBです。もし大腸菌(特にEscherichia coliという種の細菌)がいるのなら、コガネムシみたいにキラキラしているはずですが、どうでしょう!?
写真はこちら↓
んん。
全然キラキラしていませんね(*´∀`;)
ってことは、大腸菌だと思っていたやつは違ったんですかね・・・。まだまだ分からないので、別の培地でも見てみます。
次は、トリコロールです。もし大腸菌がたくさんいれば紫のコロニーがわんさか出てくるはずですが、紫の部分はちょっとだけでした。
つまり、大腸菌も少しはいますが、ほとんどは大腸菌「以外」の細菌のようです。
最後にもう一つ、マンニットで培養してみます。結果の写真は、こちら!↓
黄色いコロニーが出来て、そのコロニーの周りの培地が黄色に変色しています。
こ、これは!
マンニット培地で、こんなに煌々と輝くの黄金の粒は、黄色ブドウ球菌しかいません。今まで正体のわからなかった細菌群は、君たちだったんですね。
とはいえ、コロニーの数としてはとても少ないので、割合としてはあまり多くないんですけどね。
使った培地は以上。
実は、まだ他にも使った培地はいくつかあるんですが、これ以上いくと話長い校長先生みたいになっちゃうので、この辺にしときます笑。
実験の結果、「その他大勢」が圧倒的に多いっていうのが分かりました。まあ、でしょうね、という感じではありますが笑。
でも、逆に大腸菌も黄色ブドウ球菌もいるっていうこともハッキリしました。特に黄色ブドウ球菌は、マンニット培地でその存在が浮き彫りになったので、小さな感動を覚えました(* ̄∇ ̄)ノ
こういう未知の事柄をちょっとずつ解明していくのって、すごく楽しいですよね( ≧∀≦)
余談ですが、キャベツはキャベツでも腐りかけだったからこそ、ここまでたくさんの細菌がいたのです。新鮮なキャベツであればこうはなりませんのでご安心を(≧∇≦)
そしてここからさらに余談・・・。
実はこのとき使った腐りかけのキャベツを、実験後に家へ持ち帰って平然と平らげたのは、ここだけの秘密。
墓まで持って行くつもりなので、ミッフィーちゃんでお願いしますね( ̄x ̄)
1年 後藤
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