『ぬか床』のような温かい場所『バイオ科のイイね!』その2〔 022〕
こんにちは。バイオ科の宮ノ下です。
昔からTTC(東京テクニカルカレッジ)のバイオ科には言葉では表せない独特の雰囲気があります。例えるなら、「ゆったり」「まったり」「ふわっと」「ほっこり」でしょうか。一人一人はユニークで個性的ですが、集団になると「バイオ科」として1つにまとまり、統一感が生まれます。
〈わきあいあいとした雰囲気で行う実験〉
この「一体感」のおかげで、班編成に困らないのがバイオ科の特徴です。実習では、2~3人の班を編成して実験をします。30名もいれば、合う人、合わない人がいるのは当たり前。意見がぶつかり激しい口論や罵声が飛び交うこともあるのでは?と心配になりますが、学生同士は、意見の食い違いはあっても話し合いで解決するので、激しくぶつかる場面を私は一度も見たことがありません。バイオ科の自慢できるところは、苦手な人とでも、学生同士が何とか協力し合い、実験をおこなうことができるところです。
〈班員と協力して実験する学生〉
この「協調性」は、本当に尊敬に値する能力だと感心しています。
罵る(ののしる)人もいなければ、
露骨に仲間外れにする人もいない。できないこと、間違いを厳しく責める人もいない。 互いを信頼し、尊重し、個性を認め合うことができる環境が本校のバイオ科にはあるように思えるのです。
この感覚は、私だけが抱いているのではないようです。
「TTCのバイオ科は、昔から独特の雰囲気がありますよね。入学してくる学生も講師も個々は違うのに、似ているところがあるというか。言葉では説明できないですが、似たもの同士を引き寄せる何かがバイオ科にはあるのでしょうか。」
と冗談交じりにバイオ科の先生に聞いてみました。
「ありますよ。それはずばりバイオ科の”におい“だと思います。」
と、真顔で答える大藤道衛先生。
「えー、においですかぁ!? それは比喩ですか?それとも本当に匂う(臭う?)のかしら?もし、匂うとしたら、それはどんなにおいなんでしょう?」
「例えば、培地をオートクレーブ※で滅菌した時のにおいに、有機溶媒のにおいがブレンドされたような独特の実験室っぽい”におい“です。」(結構具体的(^_^;))
「その”におい“を好む講師や学生がバイオ科に誘引されてくると?」
「その可能性があります。」と、30年以上バイオ科の学生をみている大藤先生は大真面目です。
〈培地を滅菌するときに使うオートクレーブ〉
〈有機溶媒を扱うドラフト内で操作をする学生〉
TTCは2019年に創立50周年、1986年開講のバイオテクノロジー科も35年になります。ぬか漬けのぬか床のように35年の歳月をかけ、熟成されてきました。そこから醸し出される独特の芳香に誘われてやってくる学生。さまざまな個性をもった学生がバイオ科に入学すると、その環境に溶け込けこみマイルドなぬか漬けになる。
つまり、全体を温かい空気で包みこむ『ぬか床』のような場所、それがTTCのバイオ科だと思います。
〈わが家のまだまだ未熟なぬか床〉
バイオ分野に進学希望の皆さま。ぜひ、TTCのバイオテクノロジー科のオープンキャンパスに参加して、バイオ科の実験室がどんな”におい“がするか嗅いでみてください。
オープンキャンパスのお知らせ 詳しくはこちら
コロナ感染対策を徹底し、皆さまの来校を心よりお待ちしています。
1月 31日(日) 無菌操作の実験体験!
白金耳を使って酵母の培養に挑戦します。
2月 7日 (日) 動物培養細胞をシミュレーション!
動物細胞培養用の培地を作製します。
◆本日のバイテク用語№15◆
オートクレーブ: 別名、高圧蒸気滅菌器(高圧窯)。内部を高圧力にすることが可能な装置です。圧力を上げることで、沸点があがり、100℃以上の水蒸気と熱で微生物を滅菌することができます。本校のバイオ科には5台のオートクレーブがあります。熱に強い試薬や培地、微生物の廃棄の際に、オートクレーブを使って121℃、15分間、滅菌処理をしています。
文責:宮ノ下いずる