建築 構造技術者とは
どれほど心を込めて設計をした建物でも、悪天候や地震などの災害で倒壊する危険があれば、利用することはできません。
構造技術者は建物の内部デザインを担当し、建築家やデザイナーが立案した設計案をもとに、耐震性や安全性を考慮して、構造物の形状や素材、構造などを決定します。
近年、災害に見舞われることが多い日本では、一つひとつの建物を慎重に設計、判断することは不可欠です。
今後活躍できる若い人材が求められている分野であり、長期的に働くことができる仕事です。
建築 構造技術者の仕事内容
構造技術者とは、建物の構造設計業務を担当する人のことです。
「構造デザイナー」や「構造設計者」などと呼ばれるケースもあります。
建築 構造技術者の主な業務内容
構造技術者は、地震などの自然災害によって建物が壊れることを防ぐために、安全性能を満たした設計を行います。
具体的には、建物の土台と骨組みの構造を設計し、設計図を作成します。
また、耐震診断や補強設計など建物の構造と安全性に関する業務を専門に担当し、現場での指導や調整も行います。
構造設計は、「建築設計」の一部です。
建築設計には他に、使いやすさやデザイン性を考える「意匠設計」、電気などのインフラを考える「設備設計」があります。
この3つの分野の設計をそれぞれしっかりと行うことで、ひとつの建物が出来上がるのです。
建築 構造技術者の就職先
設計というとデザイン面での仕事をイメージする人も多いかもしれませんが、構造設計は建築物を安全に利用してもらうために、欠かせない仕事です。
建築物の構造設計ができるのは、「建築士」の資格を持つ人のみです。
そのため、構造設計を担当するにはおもに建築会社などで働き、経験を積みながら建築士資格を取得していくことが必要です。
構造設計に専念したい人は設計事務所に、大規模な建築物や都市開発などのプロジェクトに関わりたい場合は、ゼネコンへの就職がおすすめです。
構造設計の仕事は人間の手が欠かせないものであり、技術と経験さえあれば今後も長く活躍することができます。
建築 構造技術者になるには
建築 構造技術者の学校
構造技術者になるには、大学や専門学校で建築について専門に学ぶことが必要です。
とくに構造設計に関して専門的に学び、在学中に建築士資格や関連資格に関する勉強をしておくと有利になるでしょう。
建築 構造技術者関連の資格
建築物の設計するためには建築士の資格が必要ですが、「木造建築士」や「二級建築士」は扱える建築が限定されてしまいます。
より幅広い建築物を手掛けたい場合は、「一級建築士資格」が必須となります。
上位資格として「構造設計一級建築士」という資格がありますが、これは一級建築士の取得後、建築の構造設計や構造監理業務などの実務経験が5年必要となります。
現行の制度では、構造設計一級建築士の資格所有者が会社に一人もいない場合は大規模な建築物の構造設計を受注できないため、将来独立を考えている人には必須の資格です。
一方で、構造設計技術者が働く会社の多くは、資格取得に積極的なところが多いです。
資格所有者や高い知識や技術を持った人を雇えば、人件費や受注単価を上げやすいというメリットがあるからです。
そのため、長期的なキャリアアップを考えると、研修や講習、資格取得の奨励金など制度の整っている会社に勤務するのがおすすめです。
また、専門学校とつながりがある企業も多く、高い知識と技術を身につけた即戦力となる学生を積極的に採用する傾向にあります。