建築 監理技術者とは
監理技術者は、建物の設計・施工に関する専門知識を生かして、建築物の品質や安全性が保たれているか、法令が遵守されているかなどを指導監督する仕事です。
元請負の特定建設業者が請負代金総額合計4,500万円(建築一式工事の場合は7,000万円)の工事現場に配置する必要があります。
また、国や地方自治体の公共工事、大型商業施設の工事においては、請負金額が3,500万円以上(建築一式工事で7,000万円以上)の場合、監理技術者を専任で配置しなくてはなりません。
監理技術者になるには、1級土木施工管理技士、1級建築施工管理技士、一級建築等の資格を取得している必要があります。
建築 監理技術者の仕事内容
建築監理技術者は、建物の設計・施工に関する専門知識を生かして、建築物の品質や安全性、法令遵守などの確認・監督を行う役割を担う専門家です。
請負金額が4,500万円以上(建築一式工事は7,000万円以上)の工事で主任技術者に代わって配置が義務づけられています。
同じような仕事に「主任技術者」があり、仕事内容に大きな違いはありませんが、配置される現場や必要な学歴・資格に違いがあります。
建築 監理技術者の主な業務内容
(1)法令の遵守
建築物の設計について、クライアントの要望や使用目的に合った設計がなされているかだけでなく、建築基準法や関連法令が守られているかを確認します。
必要に応じて、設計に不備がある場合は設計者に修正を求めます。
(2)施工管理
建築物の施工について、施工図面や工事計画などを確認し、スケジュール管理などを行います。
現場での進捗状況を監視し、トラブルが発生した場合には、適切な指示や判断を行い、建築物の完成に向けて指導します。
(3)品質・安全管理
施工中には、建築物の品質を保つために、建材や部材の検査や品質確認を行います。
施工現場での安全対策についても監視し、危険を未然に防止するための指導やアドバイスを行います。
(4)各種検査や書類の提出
建築物の完成後には、竣工検査を行い、確認書の作成や法令に基づく報告書の提出を行います。
また、建物の維持管理についても、適切なアドバイスを行い、定期点検や保守管理についてもアドバイスを行います。
建築 監理技術者になるには
監理技術者として活躍するには、建築分野に関する知識が必要です。
そのため、まず高校卒業後に、建築系の専門学校、大学などに進学するのが一般的です。
専門学校で学ぶメリットは、専門的な授業や実習が多く、しっかりとした知識と技術が身につけられる点です。
また、大手建設会社とインターンシップや実習などで連携している学校もあり、現場の様子を実際に見ることができたり、就職の際に有利になったりすることもあります。
卒業後は建築会社などに就職し、社会人として経験を積みながら、1級土木施工管理技士、1級建築施工管理技士、一級建築士といった資格を取得していきます。
なかでも一級建築士の資格は、建築分野における幅広い知識や技能を持ち、建築物の設計や監理に関する知識を有していることを証明する資格であるため、取得を目指す人が多くなっています。
実際に監理技術者として工事現場に配置されるには、監理技術者講習を受講しなくてはなりません。
講習は1日行われ、監理技術者の職務に必要な知識や法律制度、建設技術の動向などを学びます。
この講習が修了すると講習受講証明書(修了履歴)が交付され、これを携帯することで監理技術者を専任することができます。
監理技術者の資格者証は交付から5年間の有効期限があり、一度講習を受けたあとも、期限が切れないように更新する必要があります。