バイオ技術者とは
バイオ技術者は、バイオテクノロジーを利用して新しい技術や製品を開発する仕事です。
バイオテクノロジーとは、もともと生物が持っているメカニズムを解き明かし、私たちの生活に生かす技術のことです。
たとえば、クローン技術やiPS細胞なども、バイオテクノロジーの技術のひとつです。
こうした技術を医療や食品、化学、環境など幅広い分野で実用化するための研究を行います。
バイオテクノロジーの技術を必要とするところは非常に多く、各分野のメーカーなどに採用され、技術開発部門として働きます。
結果が出るまでに時間がかかる研究も多いですが、これからますます技術革新が進んでいく分野であるため、バイオ技術者の需要が高まっていくと考えられます。
バイオ技術者の仕事内容
バイオ技術者は、バイオテクノロジーを駆使して新しい技術や製品を研究・開発する仕事です。
バイオ技術者の活躍の場
(1)医療・ヘルスケア分野
遺伝子情報、幹細胞、iPS細胞などを利用し、再生医療や病気の予防などのための技術開発を行います。
(2)食料・農林水産業分野
微生物の特性を利用してビールやワインをつくったり、遺伝子組み換え技術を利用した新種の植物の開発などを行ったりします。
(3)化学分野
バイオテクノロジーを利用して、食品や医薬品の原料となる新しい製品や製造技術の開発などをします。
ミツバチの巣の形(ハニカム構造)を用いた技術など、自然界にもともとあるしくみを私たちの生活に取り入れる研究も行います。
(4)環境・エネルギー技術分野
生物由来の燃料など、環境に配慮した新しい技術や製品の開発に取り組みます。
バイオ技術者の役割
バイオテクノロジーはまだ新しい技術であり、今後ますます発展していく分野として注目をあつめています。
また、新薬を開発して病気を治したり、病気に強い植物や野菜を開発して食糧問題や環境保全に役立てたりと、これまで人間が解決できなかった課題を解決することを期待されています。
バイオ技術者の勤務先
バイオ技術者の勤務先は、大学をはじめ、メーカーなど民間会社の研究部門、農業試験場などの公的な研究機関などがあります。
大学や公的な研究機関の場合は、世界中の研究者とチームを組み、協力して研究を進めることもあります。
バイオ技術者になるには
バイオ技術者の学校
バイオ技術者になるためには、まずバイオテクノロジーについて深く理解しなくてはなりません。
そのためには、まず大学や専門学校などでバイオテクノロジーや生命科学、遺伝子工学などの専門知識を学ぶ必要があります。
高校では生物・化学などの理系科目を習得しておくとよいでしょう。
民間企業の研究職の採用試験では、学歴や選考によって制限が設けられていることも多いため、希望の企業や分野があれば、あらかじめ調べて進路選択する必要があります。
バイオ技術者のキャリアパス
新卒で就職した場合、はじめは先輩研究者の補助的な業務から覚えていき、経験を積みながら徐々に仕事を任されるようになっていきます。
まずは技術開発部門で経験を積み、その後研究部門に異動するというケースもみられます。
経験を積むと主任研究員や主席研究員とキャリアアップし、より大規模な研究に関わったり、開発プロジェクトのリーダーとなっていったりします。
バイオ技術者関連の資格
バイオ技術者関連の資格には、「バイオ技術者認定試験(初級・中級・上級)」があり、学生のうちに合格していると、就職で有利となります。
食品業界への就職を目指すのであれば「食品衛生管理者」を取得しておくのもよいでしょう。
また、バイオテクノロジーを学ぶために論文を読んだり、研究をすすめたりするためには語学力も必須です。
TOEICをはじめ、英語などの学力に関する資格があると、よりアピールできます。