高校へ出張授業!台所にあるものでDNAを抽出しよう (東京テクニカルカレッジ バイオテクノロジー科)〔115〕
先日、都内の高校へお邪魔して、高校1年の生徒さんに食品からDNAを取り出す実験を体験していただきました。本日のブログではその時の様子をご紹介いたします。
訪問したのは、東京都立 農芸高等学校。創立120年を迎える歴史ある高校です。校舎に入ると、まず驚いたのが廊下の広さ!6人並んで歩けるほど広いのです。続いて驚いたのが、各階に加工や調理、分析など分野ごとにたくさんの実習室があることです。実学教育の環境が整った学校であることが一目でわかりました。この学校で学べる生徒さんが羨ましい...
化学実験室に向かう途中、多くの生徒さんとすれ違いました。嬉しいことに、生徒さんの方から、元気にあいさつをしてくれました。初対面の生徒さんたちとの授業にドキドキしていましたが、明るいあいさつをいただいたおかげで、温かい気持ちになり緊張も和らぎました。よーし!今日はみんなで実験を楽しむぞ(*^^*)
広くて清潔な化学実験室。今回は、農芸高校の1年生の生物の授業2コマを頂き、DNAの実験授業をおこないました。授業時間は90分間です。簡単な自己紹介をしてから、20分ほどDNAの基本構造や遺伝子組換え技術についてお話した後、いよいよDNA抽出実験スタートです。生徒さんの人数も多いことから、農芸高校の先生方にもサポート頂きました。また、本校の広報Nさんにも助っ人をお願いしました。
実験は2~3名の班ごとおこないました。DNAを取り出す溶液を作る人、ブロッコリーやレバーをすりつぶす人、みんなで役割分担をして協力しながらすすめました。実習に慣れている生徒さんたちはさすがですね。段取りよくスムーズに実験がすすみます。作業が速いだけでなく、時折、笑い声が聞こえてきたので、みなさん実験を楽しんでいるようです。仲間と協力して何かを成し遂げることは、本当に楽しいですよね。
ブロッコリーやレバーをすりつぶしたら、そこにDNAを抽出する溶液を加えてまぜます。3分間放置したら、茶こしでこして、食品の残渣(ざんさ)を取り除きました。濾した溶液(粗DNA溶液)はファルコンチューブに移します。まだ、この段階ではDNAは見えません。これにエタノールを加えていきます。この時の、エタノールの入れ方が難しい。粗DNA溶液とエタノールが混ざり合わないように、エタノールをピペットを使ってファルコンチューブの壁に沿わせながらそ~っと入れていきます。
「エタノールを入れ終わりましたか?では、茶こしで濾(こ)した溶液とエタノールの境界をよく観察してください。もやもやとした糸状の白い物質がエタノール側にあらわれてきます。これがDNAです!」
どの班も、しっかりDNAを観察することができました。実験は大成功!でも、これで終わりではありません。実験が終わったら、まとめの小テストで今回の実験のおさらいをしました。
DNAを抽出するために加えた中性洗剤の働きは何か?DNAを析出(濃縮)するために加えた試薬は何か?器具の名称や実験で使用した試薬の働きなどを確認する問題を全部で10問解いてもらいました。実験技術者になるには、技術だけでなく、知識を身につけることも大切です。
今回の実験は、台所にある材料を使い、とても簡易的な方法でDNAを抽出しました。もし、もっと本格的なDNA実験にチャレンジしてみたいと思いましたら、ぜひTTCバイオテクノロジー科のオープンキャンパスにいらしてください。お待ちしています!
今回の出張授業は、農芸高校の河野先生(生物担当)からご提案頂き実現した企画です。高校生にバイオ分野の実験の進め方や楽しさをお伝えする機会を頂き本当に感謝しております。河野先生をはじめ、農芸高校の先生方ありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。
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文責: 宮ノ下いずる