2年間で以下の知識・技術を身につけることができます。
学校法人 小山学園では、講義科目で得た知識技術を実習科目により確認する「体験的学び」に重きを置き、自ら考え問題解決できる技術者の育成を目標にしています。また、確実に知識技術を修得するために、科目毎の概要を示すシラバスとその時限毎の授業内容を明示するコマシラバスを作成しています。
バイオテクノロジー科では、上記に掲げる学びをとおして、以下のディプロマポリシーに掲げる知識技術を修得した学生に対して専門士の称号が授与されます。
バイオテクノロジー科の人材目標
医薬、化学、食品、化粧品などに関連する企業・大学の研究室などにおいて1.基礎知識
生物(動物・植物・微生物・細胞)を扱って、生物分析をおこなうことができる
実験動物(マウスなど)の取り扱い方を修得し、日常の維持管理ならびにこれらを用いた基本的な実験をおこなうことができる。
微生物を扱う上で必要な基礎知識・技術を修得し、無菌操作※1 ならびに菌株の維持管理をおこなうことができる。
動物細胞(浮遊細胞※2(マウス由来ミエローマ細胞:653細胞)、接着細胞※3(HeLa細胞))を用いた細胞の培養と保存などの基本的技術を修得し、細胞を用いた基本的な各種実験、分析操作をおこなうことができる。
植物組織・植物細胞の基本的取り扱い、細胞融合技術ならびに組織培養技術を修得し、植物組織・植物細胞を用いた基本的な各種実験、分析操作をおこなうことができる。
掲げる理由
医薬品・化学製品、化粧品、食品等の研究・開発・生産のためには、ヒトを含めた生物に対する影響を調べることが必要です。このために実験動物や各種細胞を用いて評価をおこないます。また、実際のモノづくりには細胞そのものを用いることもあります。そこでこれらの業務に対応するために、生物分析技術を身につけることが必要となります。2.物質分析
生体物質(タンパク質・核酸・脂質・糖質など)の化学分析をおこなうことができる
生体中の各種化学物質、特にタンパク質・核酸の基本的な分離、測定、分析をおこなうことができる。
化学分析ならびにクロマトグラフィー※4などの機器分析技術を用いて、食品や医薬品・化成品中に含まれる特定成分を調べることができる。
生物特有の触媒である酵素※5に関する基礎知識およびその取り扱い、分析手法を修得し、これを利用することができる。
遺伝子解析に必要となる核酸の基本的な知識を持ち、研究開発の場で必要となる遺伝子解析をおこなうための試料を生体より抽出し、その基本的な分離分析をおこなうことができる。
掲げる理由
バイオテクノロジーは生物の力を用いてさまざまなモノをつくり出す技術です。これは生物の中で生み出される物質(タンパク質、核酸、脂質、糖質、ビタミン等)を利用することと言えます。そこで必要となるのが、これらの生体物質を分離分析する技術です。またこの生物の力は結局「酵素の力」であり、酵素は遺伝子が左右します。そこで基盤となる酵素と核酸の取り扱い技術を身につけることが重要となります。これらの生体物質の分析法を身につけることで、研究開発から生産までさまざまな業務に就くことができます。3.実験研究計画
自分で実験を組み立てることができる
身につけた各種生体物質の分離分析技術を基にして、上長の指示のもとに種々の実験・検討を、効率的に進めることができるように計画し、実行、報告することができる。
実験室の維持管理(清掃、準備、試薬機材の管理、データの管理)を倫理観※6を持って誠実に実施することができる。
掲げる理由
研究・開発・モノづくりの現場で、専門知識・技術の応用で必要となることは、自分のやるべきことを理解して効率的に進めていく力です。さらにしっかりとした倫理観を持ってデータを管理し、それらを正確に報告することが求められます。※1:目的の微生物以外の微生物が紛れ込まないように操作すること。あるいは微生物で汚染されないように道具を使うこと。
※2:液体の培地の中にバラバラになった状態で増える細胞。653細胞(マウスミエローマ(骨髄腫)細胞)がよく使われる。
※3:容器やゲルなどの表面にくっついて増える細胞で、実験にはHeLa細胞(ヒーラ細胞)がよく使われる。
※4:混ざっているものをくっつきやすさや溶けやすさ、大きさの違いなどで分ける技術。バイオでは重要な技術。
※5:物質を効率的に変化させるタンパク質のこと。一般に同じ力を持つものを触媒と言い、酵素は生物由来なので別名生体触媒と言う。
※6:社会的秩序や規律等に対する規範となる考え方。道徳は人としてこうあるべきという人を対象とし、倫理は社会が対象となる。