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2024.09.20 バイオテクノロジー科

2024 バイオ科 RJP活動報告 №1 

東京テクニカルカレッジ(TTC)にはRJPというユニークな授業があります。RJPは、Real Job Project(リアルジョブプロジェクト)の頭文字で、学生が主体となり実際の仕事で必要な、企画、予算計画、実行、振り返り、改善などのPDCAサイクルを継続して行うTTC独自のプログラムです。

バイオテクノロジー科では、実験で身につけた仮説検証のノウハウを活かして、モノづくりや理科実験、花壇整備などを行い、バイオテクノロジーの魅力をSNSで発信しています。今年度のバイオ科は1,2年生混合の8班編成で、毎週金曜日(2期~4期)に活動しています。7月末に2期が終わり、8月末から3期の活動が始まりました。今回は、これまでの班ごとの取り組みをご紹介します。(写真掲載の許可をえた学生のみ顔出しの写真を載せています)

 

コンポスト班

生ごみからコンポスト(堆肥)を作っています。野菜かす、キノコ、コーヒーかす、米糠など異なる基材を土に加えると、コンポストの仕上がりに違いはあるのか?毎回のRJP活動で、それぞれのコンポストの色や臭い、そして成分を化学的に分析しています。

1週間後、コンポストを観察すると野菜やキノコの残渣がなくなっていました。わずか1週間で完全に分解されて堆肥になるようです。微生物の分解力はすごい!

「予想以上に土の中の微生物は生ごみを速く分解します。これからは、毎日、観察したり成分を分析する必要があるかもしれません。」とリーダーのIさん。3期はコンポストの分析をしながら、自作のコンポストで植物を育てる予定です。

 

園芸班

2期はスイカとゲノム編集トマトを栽培しました。小玉スイカを買って食べた後、その種をポットにまきました。10日後、芽が出たので、TTCの6Fテラスの花壇に植え替えて栽培開始。梅雨時期に泥水が茎や葉につかないように、簾(すだれ)を敷いて育てました。

蔓がのびて黄色の花がたくさん咲きました。リーダーのTさんが、雌花に雄花の花粉を受粉すると、めしべの子房が少しずつふくらんで、実が大きくなっていきました。食べたスイカの種からスイカができたことに感動です。ソフトボールくらいの大きさになったところで収穫。苦労して育てたスイカは、甘みこそ少なかったですが、みずみずしくてとても美味しかったです。

スイカ栽培と並行して、5月中旬からゲノム編集GABAトマトを東中野区民センターの畑をお借りして栽培しました。水やりだけでなく、当番制で追肥、誘引、摘芯をおこない、愛情込めて育てました。

7月上旬からトマトを収穫し、ゲノム編集トマトとノーマルトマトを食べ比べたり、東中野に住む小学生を対象に実験教室を開催しました。イベントの様子は、こちらのブログを参照ください。3期は、TTCの6Fテラスの花壇でブロッコリーとキャベツ、四季なりイチゴを栽培する予定です。

 

石班

キラキラした宝石のようなモノをつくっているのが石班です。2期は、ビフォスファマイトとミョウバンの結晶や琥珀糖(こはくとう)をつくりました。ビフォスファマイト、ミョウバンはどちらも過飽和溶液を溶媒蒸発法と温度降下法で結晶化しました。着色は青や赤の食紅を使っています。実験好きなメンバーが集まり、毎回楽しそうに活動しています。

こちらは、食べられる宝石の琥珀糖です。「きれいに包丁でカットするより、手でちぎった方が鉱物のような感じに仕上がります。」とKさん。試作を重ねるたびに、味も見た目もどんどん上達しています。

3期は、これまでの結晶づくりを発展させるだけでなく、オープンキャンパスに来た見学生と一緒にバスボムやエコカイロ(酢酸ナトリウム結晶)をつくるイベントを企画しています。

 

焼き菓子班

焼き菓子班は、東京テクニカルカレッジ(TTC)の知名度アップのため、TTCロゴ入りクッキーづくりにチャレンジしています。まずは、ロゴを作る型の検討。発砲スチロールやレゴブロックなどを使って試作を繰り返しました。また、サクサク食感のクッキーを作るため、クッキーの厚みや焼き時間も検討しました。毎回、焼き上がりの時間になると、廊下まで香ばしい香りが漂います。

実験の結果、クッキーの厚みは3.5㎜、焼き時間は15分が最適であることがわかりました。ただ、TTCのロゴはまだうまく表せていません。3期は、IoT+AI科とコラボレーションし、3Dプリンターを使った型づくりをする予定です。

 

グミ班

グミ班は、味も食感も絶妙なオリジナルグミづくりにチャレンジしています。これまで、リンゴ、コーヒー、オレンジ味のグミをつくりました。グミは火加減や水あめ、砂糖、ゼラチンの分量を少しでも間違うと、固まらないとても難しい菓子のようです。「リンゴやオレンジジュースに果肉が入っていると、火にかけた時に焦げてしまいます。ザルで濾して果肉を除去することで、改善できました。」とYさん。

3期は、官能評価も実施しながらさまざまなグミを試作する予定です。みんなが驚くほどおいしいグミができることを楽しみにしています。

 

ゼリー班

ゼリー班は、おいしいだけでなく、バイオテクノロジーの知識や技術を活かしたゼリーづくりにチャレンジしています。2期につくったのは、炭酸ゼリーとあじさいゼリーです。炭酸ゼリーは重曹とクエン酸を反応させ、二酸化炭素を発生させたり、市販の炭酸飲料を使って試作しました。あじさいゼリーは、紫キャベツを使い、アントシアニンがpHで色を変える性質を利用しました。

紫キャベツから抽出したアントシアニンに重曹やクエン酸を加え、色を変化させ固めました。味はおいしくないですが、見栄えは最高!インスタに投稿した画像にはたくさんの「いいね!」がつきました。あじさいゼリーづくりは、実験を楽しめるので、理科の教材として使えるかもしれませんね。3期も、科学を取り入れたおもしろいゼリー開発を楽しみにしています。

 

理科実験班

2期はプラスチックから繊維をつくることにチャレンジしました。わたあめ機のような装置を作り、ザラメの代わりにプラスチック片を入れ、回転させながら熱することで、繊維状のプラスチックを回収することにしました。大江先生と一緒に設計図を描き、空き缶の側面に穴を開けます。空き缶にペットボトルを細かく切った破片を入れて、熱をかけながら高速回転させました。

空き缶の穴から繊維状のプラスチックがでてきました。これを割りばしでかきとりました。当初は、プラスチック繊維で編み物をして帽子をつくろうと計画していましたが、繊維がもろく切れてしまい断念。3期の理科実験班は、実験器具に水を入れて楽器をつくり、曲を演奏する予定です。

 

マニュアル班

実験機器の取り扱い方法をまとめたドキュメントを作成しています。これまで、イオン交換水、乾熱滅菌機、オートクレーブ、分光光度計、培養器、高速遠心機、クリーンベンチ、凍結乾燥機、ドラフトなどの説明書を作成してくれました。

Yさんが、古い引き出しから年代物の機器の取り扱い説明書を発掘しました。おかげで、これまで、どうやって使うのかわからなかった機器の正しい使い方がわかるようになりました。本当にありがたいです!これからみんなで共有していきましょう。

3期のRJP活動の様子は学生がX(旧Twitter)、Instagram、TikTokに毎週掲載しています。ぜひ、学生の取り組みをご覧ください。

東京テクニカルカレッジ バイオテクノロジー科 講師紹介

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文責: 宮ノ下いずる【161】

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