試練を乗り越えた先に身につく技術〈バイオ科 導入実験 1年〉〔037〕
こんにちは、バイオ科の宮ノ下です。
みなさんは、最近、心臓がバクバクして手汗をかくほど緊張しましたか?
今週はじめのバイオ科1年生は、まさにそんな緊張状態にありました。
これまで1ヵ月かけて、試薬調製の基礎を学んできた1年生。いよいよ学習の成果を試す時がきました。試薬の濃度計算からフローチャート※の作成、試薬の調製、器具の洗浄までを70分以内に一人でやり遂げる実技試験がありました。1年生が初めて経験する試練の1つです。今回のブログは、この実技試験の様子をご紹介します。
私が実習を見に行ったときは、実技試験に向けた試薬づくりの練習をしていました。2人組で互いの実験操作をチェックし合います。チェック項目は、器具の取り扱いや実験操作だけでなく、実験台を散らかさずに作業しているか、器具の洗浄方法まで、細かく設けています。
〈フローチャートの書き方を指導する松井奈美子先生〉
〈ペアを組み、互いの操作をチェックし合う〉
〈チェック項目は30以上(^_^;)〉
いよいよ実技試験当日。小グループに分かれ、個々で異なる濃度の試薬をつくっていきます。計量単位として、モル濃度(mol/L)、パーセント(w/w%, w/v%)やppmがあり、自分がどの計量単位で試薬を調製することになるか当日までわかりません。指定された濃度の計算をして、フローチャートを書いてから試薬を調製していきます。背後では、先生が操作を厳しくチェック。中には緊張から手が震えてしまう人もいますが、誰も逃げださず全員やり遂げることができました。
〈指示された試薬の濃度を計算する〉
〈メスシリンダーで100mLを測る〉
〈漏斗を使って試薬を保存容器へ。真剣な表情の学生〉
〈試薬を作製したら塩度計で濃度を確認〉
〈背後で横田先生が実験操作をチェック〉
〈視線の先に松井先生〉
〈器具の洗い方も厳しくチェック〉
入学からたった1ヵ月で、こんな過酷な実技試験を行っているバイオ系の学校はほとんどないと思います。厳しくみえますが、この実技試験のおかげで学生は確かな分析技術を身につけることができます。一番嬉しいのは、この試練を乗り越えたあとに、学生が自分の実験操作に自信をつけることができる点です。
この実習を担当している松井奈美子先生と助手の横田先生は、学生にバイオ技術を身につけてもらうためなら決して手を抜きません。厳しく操作をチェックし、できなかった学生には何度でもやり直させます。ここまで丁寧に指導してくれる先生はなかなかいませんよ(*^^*)このようにバイオ科では、学生も講師も真剣勝負で取り組んでいます!
1年生は、今回の導入実習で基本的な実験操作を学びました。2期からいよいよ専門的な化学分析実習や生物分析実習が始まります。頑張っていきましょう♪
◆本日のバイテク用語 №22◆
フローチャート:実験の流れ(工程)を可視化してわかりやすく伝える図です。一般的に実験の流れを箱と矢印を使って表します。TTCバイオ科では、学生に実習書の実験方法をフローチャートにまとめてもらい、これに試薬の量(実測値)、操作の注意点などを書き込みながら実験をしています。
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東京テクニカルカレッジ バイオテクノロジー科 (@TTCbio)
文責: 宮ノ下いずる