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2021.02.19

バイオテクノロジー科

早口で3回言えたらすごい! ジアリルジスルフィド&ベータクリプトキサンチン  (バイオ科 2年 卒業研究 食品班)

こんにちは。バイオ科の宮ノ下です。

今回のブログのタイトルは舌を噛みそうなカタカナ語


ジ ア リ ル ジ ス ル フ ィ ド &ベ ー タ ク リ プ ト キ サ ン チ ン です。


呪文のような言葉ですが、どちらも食品に含まれる健康にいいとされる成分です。今回は、この成分を食材から抽出、分析している『食品班』の卒業研究をご紹介します。


食品1班は生ニンニクをすりおろしたときのにおいの成分『ジアリルジスルフィド』をニンニクから抽出しています。この物質には、微生物の繁殖を抑える抗菌作用と抗がん作用があることが知られています。ニンニク臭はとても強烈で、においが充満しないようにドラフトチャンバー内で作業をしていますが、それでも廊下までニンニク臭が広がっていました。臭い、臭いと言われ続け、みんなに謝りながら実験をしている学生の姿が印象的でした。


ニンニク

生ニンニク。今回の実験では、ニンニク5個(500g)を使いました。


すりおろし

〈おろし器ですったニンニク〉

すりおろすとニンニク臭がプンプンします。



酸化ニンニク

すりおろしニンニクをチューブへ入れました。すりおろしニンニクは酸化するときれいな緑に変色します。


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〈ドラフトチャンバー内で水蒸気蒸留を行う学生〉


おろしニンニクはろ紙でろ過して水蒸気蒸留で精油成分を抽出します。その後、エーテル精製、薄層クロマトグラフィーを経てジアリルジスルフィドを精製していきます。


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〈先生とディスカッションをする学生〉


精製したジアリルジスルフィドは、高速液体クロマトグラフィーにかけ定量しました。今後は抽出したジアリルジスルフィドに抗菌、抗がん作用があるのか微生物やヒトのがん細胞を用いて調べていく予定です。


■卒研担当学生からのアドバイス

「ジアリルジスルフィドを含むニンニクは抗菌作用や抗がん作用があり体にいい食材と言われていますが、食べすぎると、お腹の中の善玉菌まで殺すので下痢をおこすかもしれません。ニンニク1~2片で十分健康効果が得えられるので、食べすぎには注意しましょう。」


食品2班は、温州みかんなどに含まれるオレンジ色の色素、ベータクリプトキサンチン(βクリプトキサンチン)を抽出しています。みかんは、栄養素の宝庫。体にいいとされるビタミンC、クエン酸を含んでいるだけでなく、糖尿病などの生活習慣病の予防や抗菌効果があるとされるβクリプトキサンチンを多く含みます。2班は、捨ててしまうみかんの皮からβクリプトキサンチンを抽出し、他の食品に添加して栄養強化食品を作りたいと考えています。


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ミカンの皮を凍結乾燥し、乳鉢ですりつぶしてパウダー状にしました。実習室には柑橘系のさわやかな香りが広がります。強烈なニンニク臭とは大違い(^_^;)


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〈ロータリーエバポレーターで濃縮〉


クリプトキサンチン

〈薄層クロマトグラフィーでβクリプトキサンチンを分離〉


みかんの皮から脂溶性成分を抽出し、ロータリーエバポレーター※で濃縮し粗抽出液としました。これを薄層クロマトグラフィーにかけて、βクリプトキサンチン画分を回収。分光光度計で、βクリプトキサンチンの濃度を測定します。


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〈先生とディスカッションをする学生〉


現在は、抽出したβクリプトキサンチンに抗菌作用があるかどうか、大腸菌を用いて確認しています。


■卒研担当学生からのアドバイス

「みかんを食べ過ぎると、皮膚が黄色くなるのは、βクリプトキサンチンによるものですが、食べるのをやめればもとに戻ります。文献によると、温州みかんを1日1~2個食べると、βクリプトキサンチンによる生活習慣病予防効果が期待できるそうです。みかんを食べて健康になりましょう。」


今回は、ニンニクとみかんに含まれる栄養素『ジアリルジスルフィド』『ベータクリプトキサンチン』を抽出する実験を紹介しました。ニンニクやみかんを食べた時は、「呪文のような長い名前の成分が体にいいと言っていたなぁ」と思い出してみてくださいね。


来週のブログもどうぞお楽しみに★


―本日のバイテク用語―

ロータリーエバポレーター: 溶液中の溶媒(水など)を除去し、濃縮するために用いられる蒸留装置です。今回はみかん粉末に有機溶媒を加え脂溶性成分を抽出した後、けん化してヘキサンで溶解したものを蒸留フラスコに入れました。フラスコは加温しながら回転させ、溶媒を蒸発させます。蒸発した溶媒は冷却管で冷やし液化し回収します。


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東京テクニカルカレッジ バイオテクノロジー科  (@TTCbio)


文責: 宮ノ下いずる


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