縁の下の力持ち ~助手のお仕事~(バイオ科)〔014〕
バイオ科には 妖 精 が住んでいます。
建付けが悪くなっていたドアがいつの間にか元通りになっていたり、故障していた器具や機器が翌日行くと直っていたり・・・このように、私たちの実験環境を陰で支えてくれる人、それがバイオ科助手の横田奈々先生です。今日は、バイオ科のスーパー助手、横田先生をご紹介します。
放課後、実習室で何やら作業をしている先生を発見しました。
「何をされているんですか?」
「微生物実習で使うコンラージ棒※を作っているんです。」えっ!?手作りしているとは知りませんでした。
「コンラージ棒を作る時のコツとかあるんですか?」
「バーナーで熱したら、躊躇(ちゅうちょ)せずに思い切りガラスを曲げることでしょうか。」そう言って、一気にガラスを曲げるところを見せてくれました。
素人が同じことをしたら、ガラス棒は折れてしまいそうですが、おそらく熱する時間や絶妙な力加減が成せる技なのでしょう。
〈横田先生が作ったコンラージ棒コレクション〉
これで驚くことなかれ。横田先生がガラスで作るのは、コンラージ棒だけではありません。
菌を培地にまく(植菌)時に使う白金耳を置くスタンドも手づくりしていました。白金耳や白金耳ホルダーを実験台に直に置くより、スタンドに立てることで清潔さも保てるし、何より使いやすくなります。「あると便利だな」と思っていた器具が、実は横田先生の手作りだったとは驚きました。
〈横田先生のコレクション2(白金耳フォルダースタンド)〉
これまで当たり前に使っていた、美しいガラス器具は、てっきり市販品だとばかり思っていましたが、実は横田先生の愛情あふれる作品でした。いつも細やかな気配りをしてくれるバイオ科の助手、横田先生に心から感謝しています。
来週のブログもどうぞお楽しみに☆
◆本日のバイテク用語№9◆
コンラージ棒:菌液などを寒天培地に塗り広げるのに使うガラスや金属、プラスチック製の棒です。
バイオ科では、ガラス製を手作りして、微生物学実習の他、遺伝子工学実習で大腸菌の培養を行う時に使います。
文責:宮ノ下 いずる