ブタの眼玉が教えてくれること(バイオ科 動物学基礎実習2 1年)〔011〕
この時期、とても貴重な実験サンプルが手に入ります。それは、ブタの眼玉です。動物学基礎実習2では、ブタの眼玉を実験材料にして、眼を上下左右に動かす筋肉のつき方や、眼球内部を観察します。
〈眼の構造や働きについての講義を熱心に聞く学生〉
ブタの眼玉は一人二つずつ。先鋭ピンセットと解剖用のはさみを使って観察します。
学生に、はさみの使い方を指導する松延 康 先生。「はさみは切るだけでなく、組織を引っ張る、広げる、割くなど、いろいろな使い方ができる」と先生。眼球につながった筋(すじ)は残し、周りの白い脂肪だけを取り除いていきます。
続いて、眼球を解剖用のはさみとメスで横断し、内部構造を観察します。眼球の周りの膜(強膜)がゴムのように張りがあり、思いのほかかたいため、切断するのに苦労しました。
眼球内部はゼリー状の硝子体で満たされていました。どこから光が眼球内に入り、どこを通って 網膜にたどりつくのか、松延先生の説明を聞きながら、角膜、瞳孔、水晶体、硝子体、網膜などの内部構造を観察します。
眼球内部からピンセットで透明な球体を取り出しました。
これが、水晶体です。水晶体をスライドグラスの上にのせ、文字の上に置くと、文字が拡大して見えました。水晶体がレンズとして機能していることが、よくわかります。頂いた命は最後まで大切に使わせていただく。この思いをみんなで共有し、有意義な実験をすることができました。
来週のブログもどうぞお楽しみに★
◆本日のバイテク用語№6◆
解剖用はさみ : 組織を観察するときに切れ味抜群でさびにくいステンレス製の解剖用はさみを使います。バイオ科では学生1人1人が使用できるように、複数の解剖用はさみを80本以上常備しており、実験の用途に合わせて使い分けています。使用後は、はさみを分解して洗浄。しっかり乾かして、
大切に使い続けています。
文責 :宮ノ下いずる