「もやし」は安くておいしいだけじゃない!野菜に含まれるアミノ酸分析 (バイオ科 バイオ化学実験1 1年)〔006〕
グリグリ、スリスリ。
学生が、乳鉢で野菜をすりつぶしています。
もやし、枝豆、トマトにブロッコリー。すりつぶした野菜を使って、今日はどんな実験をするのでしょうか。野菜はビタミン、ミネラルが豊富ですが、実は、タンパク質の材料になるアミノ酸もたくさん含んでいます。今日は、野菜のすりつぶし液(汁液)を使って、アミノ酸を分析する実験にお邪魔しました。
すりつぶした汁液を薄層プレートにスポットしていきます。
(本番の前にろ紙にスポットテストをする学生)
スポットしたらドライヤーで乾燥。乾いたら、またスポット。汁液をつけて乾かす作業を何度も繰り返して、汁液に含まれる成分を濃縮してきます。この薄層プレートを展開液にひたすと、毛細管現象で展開液と一緒にアミノ酸が上に移動します。この時、アミノ酸の種類により移動距離が異なり分離できます。
たとえば、ロイシンは、移動速度が速く、遠くへ移動します。アルギニンは移動速度が遅いため、スポットした点からあまり動きません。分離後、発色剤でアミノ酸を目視できるようにしました。
実験の結果、もやしには、たくさんのアミノ酸が含まれていることがわかりました。
「もやし」は安くておいしいだけでなく、栄養価も高いすばらしい健康食品なのです!実験終了後は、実験レポートを作成します。
(アミノ酸の移動度からRf値※を計算している学生。)
「実験をやるだけなら、誰でもできます。実験の後にしっかり結果をまとめ、考察することが大切です」と松井奈美子先生。厳しくも楽しい実験生活がこれからも続きます。みなさん、頑張りましょう!
来週のバイオ科ブログもお楽しみに★
Rf値※:溶媒の移動距離と求めたい物質の移動距離の相対値
◆本日のバイテク用語№4◆
薄層クロマトグラフィー:薄層プレート上で成分の分離・同定を行う分析方法です。バイオ科では、アミノ酸のほか、糖の分析に用います。
文責:宮ノ下いずる