リノール酸たっぷりの大豆油(バイオ科 2年 応用バイオ科学実験)〔003〕
バイオ科2年生の応用バイオ化学実験でガスクロマトグラフィー(GLC)により油に含まれる脂肪酸の組成を分析する実験の続きをご報告します。試料は家庭で使う植物由来の大豆油、ベニバナ油、サラダ油です。
前回の実験は、それぞれの油に含まれる脂肪酸をナトリウムメトキシド法で脂肪酸メチルエステルにしました。 本日は、いよいよガスクロマトグラフィーで脂肪酸を分析します。
先生の説明を真剣に聞く2年生。
メチルエステル化した脂肪酸5μLを、空気を入れないようにマイクロシリンジに取ります。 そして、ガスクロ装置の注入口へ試料を投入。
しばらくすると、クロマトグラムとよばれる心電図のようなグラフがでてきました。 いくつかピークが見えますが、脂肪酸の種類によってピークを示す時点までの時間が異なります。
このクロマトグラムは、大豆油の脂肪酸を調べた班のデータです。パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、αリノレン酸などの脂肪酸が検出されました。特にリノール酸のピークが高い!大豆油はリノール酸をたくさん含んだ油であることがわかりました。
来週のバイオ科ブログもどうぞお楽しみに★
ー本日のバイテク用語 №2ー
ガスクロマトグラフィー:気化しやすい化合物の同定や定量に用いられる分析方法です。バイオ科では、今回の脂肪酸のエステル誘導体の測定の他、アルコールの分析にも使います。
文責:宮ノ下いずる