「一瞬でコロニーを検出できる画像処理モデルを作れますか?」他学科とコラボレーション バイオテクノロジー科 + IoT+AI科〔136〕
今回のブログはバイオテクノロジーの実験とIoT技術がコラボレーションした話です。
専門学校 東京テクニカルカレッジのバイオテクノロジー科はさまざまな実習で微生物を扱います。1年生が行う微生物実習はもちろんのこと、2年生の遺伝子工学実習でも、形質転換大腸菌を培養します。
微生物を培養すると、培地で増殖して菌の集落(コロニー)が形成されます。形成した単―のコロニーの数を数えることで、培養液の生細胞数や形質転換効率を調べることができるのですが、これがなかなか骨の折れる作業です。シャーレの裏からマジックペンでコロニーに点を打ちながら数えていきますが、コロニー数が100を超えると、だんだん集中力が切れ、計数ミスも多くなります。
ああ、単一コロニーを自動で計測できる装置があればなぁ~。
困ったときは、他学科の知恵を借りてみよう!東京テクニカルカレッジは情報、Web、ゲーム、建築、インテリア、バイオ、環境など11もの学科があります。画像処理のことならIoT+AI科が詳しいかもしれません。IoT+AI科の楊先生~!コロニー数を簡単に計測できる画像処理AIなんて、ないですか~(^_^;)
「コロニー数を検出する画像処理AIですか。おもしろいですね。ちょっと作ってみますので、コロニーの写真を20枚くらい送ってもらえますか?」と楊先生。わざわざ作っていただけるとは!お忙しいところ恐縮です。早速、低温室に保存していた酵母、黄色ブドウ球菌、大腸菌のコロニーの写真を撮って楊先生にお送りしました。さて、どんな学習モデルが出来たのでしょうか。
「微生物のコロニーを検出するモデルはありません。ですので、これがコロニーであるということをまず認識させる作業から始めます。」と楊先生。このオブジェクトを識別させる作業をラベリングといいます。楊先生は20枚のコロニー画像を手作業でラベリングしてくれました。
ラベリングデータを作成したら、これを物体検出アルゴリズム(YOLO)に学習させました。YOLOの学習後のモデルを用いて、検出およびカウンティングを行った結果はこちらです。
赤いラベルがないコロニーも残っているので、すべてのコロニーを認識できてはいません。ですが、これからもっと大量のコロニー画像を使いラベリングデータを作成すれば、画像分析力もあがりコロニー解析の精度もあがっていくことでしょう。
「さまざまな画像処理AIがありますが、99%以上の精度にするには万単位の画像を処理する必要があります。」と楊先生。画像処理AIができるまでには、こうした地道なモデル作成が必要なことがわかりました。医療や農業分野でIoTを取り入れた技術革新が目覚ましい今、バイオテクノロジー科とIoT+AI科でも協力して取り組めることはこれからまだまだありそうですね!
🔶IoT+AI科はこんなところ🔶
IoTとAIの学生は、2年間かけてネットワークや機械学習などを学びます。「ヒーローズリーグ」などのコンテンツに作品を応募して世界の人に発信し、卒業後、インフラや医療などの業界でIoTエンジニアとして働くことができます。自分のアイデアを実現できるエンジニアになりたい人におすすめの学科です。
IoT+AI科のオープンキャンパスでは、トイレの空き状況確認IoTシステムやスマホやタブレットで操作できるラジコンカーの制作など面白いメニューがたくさんあります。ぜひ見学にいらしてみてください。
IoT+AI科のHPはこちら
IoT+AI科のXはこちら
IoT+AI科 楊瑞卿 先生
明治大学大学院 情報コミュニケーション学科 博士後期課程
好きなもの: レゴブロック
嫌いなもの: ヘビ
〈IoT分野のここが好き!〉
IoTはデバイス間の連携を通じて効率を向上させる可能性を提供します。センサーやアクチュエータを使用してリアルタイムのデータを収集し、その情報を活用することができる点が魅力です。
〈教育で心がけているところ〉
教育において大切にしているのは、学生の個別のニーズに合ったアプローチを取り、多様な学習スタイルに対応することです。また、実践的な経験やプロジェクトベースの学習を重視し、理論だけでなく実際のスキルの習得を促進しています。
———————————————————————————
東京テクニカルカレッジ バイオテクノロジー科 講師紹介
バイオ科 公式Twitter 毎日更新中♪
バイオテクノロジー科 公式 (@TTCbio)
バイオ科の学生Twitterは毎週金曜日更新☆
RJP学生 広報部Twitter (@BioRJP)
文責: 宮ノ下いずる