『エチブロ』ってどんな風呂?(バイオ科 業界用語編)〔031〕
こんにちは。バイオ科の宮ノ下です。
いよいよ新年度が始まりました(*^^*)
2021年度も週イチでバイオ科ブログをアップしていきますので、どうぞ宜しくお願いします♪
さて、いきなりですが問題です。
『エチブロ』とは何でしょうか?
「エチブロに15分間、漬けておいて」
「エチブロを素手で触ったら危ないじゃん!」
「そろそろ、エチブロ交換しようか」
「このエチブロ濃くない?」
こんな風に使います。
業界ならではの用語や隠語がありますね。『エチブロ』も、バイオ分野でしか通じない専門用語の1つです。今回は、これを使えば「おっ、プロだな」と思ってもらえるバイオの業界用語をいくつか紹介します。
『エタ沈(えたちん)』
エタノール沈殿の略称。遺伝子工学実験では、細胞から抽出したDNAをエタノールやイソプロパノールで沈殿させますが、その操作を「エタ沈」といいます。
〈植物の葉からDNAを抽出してエタ沈しているチューブ。糸がからまったように見えるものがDNA〉
『コンタミ』
コンタミネーションの略称。培養物に異物、特に微生物が混入すること。「動物細胞を培養中に雑菌がコンタミしてしまった。」と使います。
『イーコリ』
大腸菌のこと。大腸菌の学名 Escherichia coli を略してE. coli(イーコリ)と呼びます。
『エチブロ』
エチジウムブロマイド(臭化エチジウム)の略。DNAを染色する時に使う試薬です。エチブロは、発がん性があり、直接素手で触れないように手袋を着用して取り扱う必要があります。遺伝子工学の実験では、DNAをアガロースゲルで電気泳動で分離した後、ゲルをエチブロに浸漬(しんせき)しDNAを染色します。その後、ゲルに紫外線を照射して、DNAのバンドを検出します。
〈ゲルをエチブロ溶液に浸した後、紫外線を照射して検出したDNAのバンド〉
『エチブロ』を知っているかと聞かれ、エチブロってどんな風呂だろう?と思ったあなた。エチブロは発がん性があるエチジウムブロマイドの溶液。入ったら死んでしまう危険なお風呂なのでご注意を!
バイオ科 Twitter 毎日更新中♪
こちらも宜しくお願いしま~す(*^^*)
東京テクニカルカレッジ バイオテクノロジー科 (@TTCbio)
文責:宮ノ下いずる