IT系学科診断を2秒で!

BLOG

学校のいまを知る

学科を選択

2022.09.23

バイオテクノロジー科

品質管理の仕事につながる技術を学ぶ ~段階希釈塗抹法~ (バイオテクノロジー科 微生物学実習 1年)〔101〕

この食品、まだ食べられるかなぁ~。

ちょっと古くなった食品を見つけると、賞味期限や消費期限を確認したり、臭いをかいで食べられるかどうか調べた経験をお持ちの方もいるでしょう。食品の腐敗や、食中毒を引き起こす要因の大半は微生物によるものです。食の安全のため、食品が微生物に汚染されていないかどうかを検査することはとても重要です。

東京テクニカルカレッジ バイオテクノロジー科の微生物学実習では、こうした微生物検査につながる微生物の数を測定する実験があります。

スクリーンショット 2022-09-23 001414

今回、実験で使用する微生物は、黄色ブドウ球菌と酵母です。

まず、基本のおさらいをしましょう。黄色ブドウ球菌(細菌の一種で食中毒菌)と酵母(真菌の一種。カビのように菌糸をつくらない)は単細胞で生活する微生物です。これらを栄養培地にのせると、分裂(酵母は出芽)して細胞が1個から2個、2個から4個へどんどん増殖していきます。肉眼でも見えるほど増殖すると、培地上にはコロニーと呼ばれる菌の集合体が形成します。

スクリーンショット 2022-09-23 001524

1つずつ球状になっているコロニーを単コロニーといいます。単コロニーはもともと1つの菌から増殖したものです。ですので、単コロニーの数を数えると、はじめに培地にまいた微生物の数(生きている菌)を知ることができます。


ではさっそく、コロニーの数から菌数を計測する方法を紹介します。例えば、1ml中に数十億個の微生物が入った検体があるとしましょう。検体中の菌数があまりに多いので、そのまま培地に撒いて培養すると、数えられないほどのコロニーが形成してしまいます。そこで、菌液を生理食塩水で10倍ずつ希釈していき、10-(100万倍希釈液)、10-7(1000万倍希釈液)、10-8(1億倍希釈液)をつくります。この操作を段階希釈といいます。段階希釈した菌液を培地に塗抹(菌を塗ること)して培養すると下図のようなコロニーが形成されます。

スクリーンショット 2022-09-23 005453

それぞれの培地のコロニー数を数えて、希釈倍率を掛け算すると、検体に含まれる菌数を算出することができるのです。(例 10-8の菌をまいた培地でコロニーが30個形成→30✕108個 30億個)


スクリーンショット 2022-09-23 001627スクリーンショット 2022-09-23 001703

「段階希釈を成功させるコツは、希釈した菌液をしっかり攪拌してから次の希釈に使うこと。菌を塗抹する時のコツは火炎滅菌したコンラージ棒を熱いうちではなく、よく冷ましてから塗り広げること」と学生にアドバイスをする松井先生。

学生はしっかりメモをとりながら先生の話を聞いていました。


スクリーンショット 2022-09-23 001451

授業の後は山ほどの洗い物(笑)。微生物を培養した培地はオートクレーブで滅菌してから片づけます。今日も汗をかきながらたくさん実験しましたね。お疲れさまでした!みなさんが身につけた菌数計測の技術は、将来、食品会社の品質管理でおこなう微生物検査で役立ちます。


★微生物実習のブログ バックナンバー★

2020年 身の回りの菌の培養方法

2021年 薬剤感受性試験からの『抗菌効果が期待できるおにぎりの具材は?』


2022年10月からバイオ科ブログは第1、3金曜日、学生通信は月末金曜日にお届けいたします。

今後とも、東京テクニカルカレッジ バイオテクノロジー科をどうぞ宜しくお願い致します。


バイオ科 公式Twitter ほぼ毎日更新♪

バイオテクノロジー科 公式 (@TTCbio)

バイオ科の学生Twitterは毎週金曜日更新☆

RJP学生 広報部Twitter(@BioRJP)

バイオ科学生のインスタとTikTokも宜しくお願いしま~す(*^ ^*)

QRスクリーンショット 2022-09-01 225545


文責: 宮ノ下いずる

2022.09.16

バイオテクノロジー科

アラビノースが入った培地で光る大腸菌(バイオテクノロジー科 応用バイオ化学実験 2年)〔100〕

今年も『光る大腸菌』の実験が始まりました。2年生はオワンクラゲがもつ光るタンパク質(Green Fluorescent Protein ;GFP)の遺伝子を大腸菌に入れて、大腸菌の体内でGFPタンパク質を発現させる実験をおこなっています。

DNAはタンパク質の設計図と言われますが、生体内でDNAの遺伝情報がRNAに読み取られ、タンパク質が作られる一連の流れ(セントラルドグマ)をこの実習で学べます。毎年恒例ですが、緑色の蛍光が観察されると「おお~」と学生から歓声が上がりとても盛り上がります。

スクリーンショット 2022-09-16 013120


今年度も、遺伝子組換え体(形質転換した大腸菌)の取り扱いはP1レベルの閉鎖系実験室でフェイスシールドを着用し、密集、密接をさけコロナ感染予防対策をとりながら実施しています。


スクリーンショット 2022-09-16 013446

今回のブログでは、大腸菌の体内でどのように緑色蛍光を発するGFPタンパク質が発現するのか、イラストを使って簡単に説明したいと思います。

今回は、Bio-Rad社から販売されているGFP遺伝子を含むpGLOというプラスミドDNAを使いました。pGLOは3つの重要な遺伝子をもっています。1つはGFP遺伝子です。その他に、araC遺伝子とアンピシリン(抗生物質の一種)耐性のAmpr遺伝子をもっています。この3つの遺伝子をもつpGLOを大腸菌に導入(形質転換)すると、それぞれの遺伝子からタンパク質が発現します。その様子をイラストにしてみました。


スクリーンショット 2022-09-16 144047

左下の大きな楕円が大腸菌、右上の環がpGLOを模式的に示しました。pGLOで大腸菌を形質転換すると、Amprの遺伝子からβ-ラクタマーゼが発現しアンピシリンを分解します。そのため、pGLOをもつ大腸菌はアンピシリン入りの培地でも増殖することができます。araC遺伝子からはaraCタンパク質が発現します。このaraCタンパク質がGFP遺伝子の発現のカギをにぎっています。

少し難しくなりますが、araCタンパク質とGFP遺伝子の発現について説明してみます。

スクリーンショット 2022-09-16 013345

araCはDNA結合タンパク質です。アラビノース※(糖の一種)が存在すると、araCタンパク質にアラビノースが作用し、araCタンパク質の形が変わります。その結果、RNAポリメラーゼがプロモーターに結合しGFP遺伝子の転写が促され、GFPタンパク質がつくり出されるのです。つまり、GFPの発現にはaraCタンパク質に作用するアラビノースが必須。下の写真はpGLOを組み込んだ大腸菌を3種類の培地で培養した結果です。(アラビノースオペロンの説明はここでは省略します)

※ L(+)アラビノース使用

スクリーンショット 2022-09-16 013417

右端のアラビノースが入った培地でのみ、大腸菌が紫外線照射で緑色の蛍光を発するのが観察されるでしょう。これは、アラビノースがGFPの発現に必要であることを示しています。

2年生諸君!GFPの発現にはなぜアラビノースが必要なのか、試験までに説明できるようにしっかり勉強しておいてくださいね(笑)。

今回は、大腸菌体内でGFPを発現させていますが、他の遺伝子、例えばインスリンの遺伝子を導入して発現できれば、インスリンを生産することができます。また、青い色素を作る遺伝子をバラに導入して、青い色素を作る酵素を発現できれば青いバラを作ることもできます。「光る大腸菌」の実験から有用な組換えタンパク質を発現する技術に応用できます。

来週からは、光る大腸菌のコロニー(菌の集合体)からGFPタンパク質やpGLOプラスミドを抽出し、電気泳動でさらに解析していく予定です(*^^*)


注)遺伝子組換え生物の取り扱いは法令 (通称「カルタヘナ法」)を遵守し、組換え生物の拡散を防止のため、実験は閉鎖系で行います。

遺伝子組換え実験のカリキュラム作成・授業評価は、職業実践専門課程の本校 演習実習・連携先企業、Bio-Cousulting Japanと連携して行っています。


★遺伝子工学系の実験ブログのバックナンバー★

光る大腸菌』〔007〕

光る大腸菌 パート2 光る物質の正体は?』〔020〕

1本3300円のバラ!』〔023〕

コロナ禍で行う遺伝子組換え実験』〔041〕

超かんたん!植菌はガラスビーズを転がして』〔054〕


バイオ科 公式Twitter 毎日更新中♪

バイオテクノロジー科 公式 (@TTCbio)

バイオ科の学生Twitterは毎週金曜日更新☆

RJP学生 広報部Twitter (@BioRJP)

バイオ科学生のインスタとTikTokも宜しくお願いしま~す(*^ ^*)

QRスクリーンショット 2022-09-01 225545


文責 :宮ノ下いずる


2022.09.09

バイオテクノロジー科

『高校の部活動で培ったプレゼンテーション能力を武器に就活! 再生医療分野で細胞培養技術者になりたい』2022年 内定者インタビュー 第5弾(バイオテクノロジー科)〔099〕 

本日のバイオ科ブログは、2022年度の内定者インタビュー第5弾です。再生医療等製品の製法開発及び受託製造のサービスを提供する会社から内定を頂いた学生の就職活動の様子をご紹介します。

スクリーンショット 2022-09-09 000028

Minaris Regenerative Medicine 株式会社 内定

バイオテクノロジー科 2年 岩﨑 さん

私立城西大学附属城西高等学校 出身


岩﨑さんは高校時代、獣医学科を目指して大学受験をしましたが、希望の大学へ進学することはできませんでした。その後、大学進学は諦め、医療系の分野の勉強ができる専門学校を探す中で東京テクニカルカレッジ(TTC)のバイオテクノロジー科を見つけました。さっそく、見学するとバイオ科の雰囲気が岩﨑さんに合っていたのでしょうか、直感的に「ここだ!」と心を決めたそうです。

高校時代は、インターアクト部に所属。「インターアクト」とは学校や地元地域でボランティア活動をしたり、地元のロータリークラブの指導や支援を受けてリーダーシップを身につける活動です。「ロータリアンと呼ばれる方々の前で発表する機会がとにかく多かった」と当時を振り返って答えてくれました。 岩﨑さんが、人前でも物怖じせずに堂々と発表できるのは、こうしたクラブ活動の経験があったからなのですね。

就職活動は、医療系の会社を中心に行い、再生医療等製品に特化した受託開発製造を行うMinaris Regenerative Medicine 株式会社から見事内定を頂きました。来春から、再生医療の現場で細胞培養の技術者として働きます。


TTC の好きな科目

応用バイオ化学実験(遺伝子工学)→ 担当講師 大藤先生


――――就職活動の流れ

説明会:9社

エントリー:4社

内定:3社


3月 就活開始、面接練習

4月 企業検索

5月 会社説明会

6月 他社 適性検査,面接,内定

        M社一次面接

7月 Minaris Regenerative Medicine 株式会社 適性検査,最終面接,内定


――――就活を通して大変だったことは何ですか?

会社説明会や面接で学校の授業を公欠してしまうことが多く、テスト勉強が大変でした。


――――Web面接と対面面接どちらが多かったですか?

Web面接が多かったです。


――――Web面接で苦労したことは何ですか?

部屋の清掃です(^_^;)


――――自己分析はどのように行いましたか?

常日頃の自分の発言を振り返りました。

分析後は、相手に誤解を与えないように、友人との会話一つ一つ気を配るようになりました。


――――これをやっておいて良かったと思うことはありますか?

高校時代のインターアクト部の活動です。人前で発表する機会が多かったので、メンタルを鍛えられました。


――――ズバリ勝因はなんだと思いますか?

医療に対する熱い思いでしょうか。医療で人の命を救って社会貢献したいという気持ちを伝えました。


――――これから就活が始まる後輩たちにアドバイスはありますか?

会社は成績を見ます。履修判定テストをA評定にするため80点は取れるように勉強することを勧めます。後輩の皆様が希望の会社から内定をもらえるよう心から応援しています!



岩﨑さんの好きな言葉は「七転び八起き」。大学受験では挫折を経験しましたが、それに負けず、新たな目標を見つけ前向きに取り組んでいます。これからの人生も「ピンチはチャンス」の精神でどんな困難をも乗り越えていくことでしょう。


★内定者インタビューのバックナンバー★

2021年度 内定者インタビュー第1弾『就職が最終目的ではない。何のために働くのかを考えることが大切

2021年度 内定者インタビュー第2弾『飾らない! ありのままの自分で勝負しよう

2021年度 内定者インタビュー第3弾『就活は、めげない! 負けない! あきらめない!

2021年度 内定者インタビュー第4弾『絶対この会社に入りたい! エントリー数を絞ると 志望意欲が高まる


2022年度 内定者インタビュー第1弾『運も味方に!文系から理系へ転身 大手食品会社に内定

2022年度 内定者インタビュー第2弾『焦らず自分らしくを貫いて 高校からの夢である微生物を用いた物質生産を仕事に

2022年度 内定者インタビュー第3弾『学業と就活の両立は大変!計画的なスケジュール管理で内定を引き寄せる

2022年度 内定者インタビュー第4弾『専門人材育成訓練生として専門学校で学び就職する!


バイオ科 公式Twitter 毎日更新中♪

バイオテクノロジー科 公式 (@TTCbio)

バイオ科の学生Twitterは毎週金曜日更新☆

RJP学生 広報部Twitter (@BioRJP)

バイオ科学生のインスタとTikTokも宜しくお願いしま~す(*^ ^*)


スクリーンショット 2022-09-01 225545

文責:宮ノ下いずる


保存されていない入力内容があります。保存ボタンを押してください。